長時間労働などで若者を使い捨てにする「ブラック企業」の疑いがある事業所について、厚生労働省は12月17日、集中的に立ち入り調査した結果、約8割にあたる4189事業所で違反があり、是正勧告したと発表した。社員の約7割を管理職にして残業代を支払わなかった例や、ノルマ未達成を理由に基本給を減額するなどの悪質なケースもあった。是正に従わない場合は送検し、企業名を公表する方針。
AIJ投資顧問の年金資産詐欺事件で、詐欺と金融商品取引法違反(契約の偽計)罪に問われた元社長浅川和彦(61)、元役員高橋成子(54)、傘下のアイティーエム証券元社長西村秀昭(58)各被告の判決が12月18日、東京地裁であった。安東章裁判長は「大胆かつ厚顔無恥な犯行」と述べ、浅川被告に求刑通り懲役15年、高橋、西村両被告に懲役7年(いずれも求刑懲役8年)を言い渡した。
また、3人から、求刑通りAIJ子会社の香港の銀行口座にある約5億6800万円を没収し、約156億円を追徴(求刑約212億円の追徴)するよう述べた。浅川、西村両被告の弁護人は即日控訴した。
<年金支給額、12年度は53.2兆円>
厚生労働省は12月16日、2012年度の公的年金支給額が前の年度を1.9%上回る53兆2397億円となったと発表した。受給者の総数は2%増の3942万人で、いずれも過去最高。年金の支え手である現役世代は細っており、制度の持続性が問われている。
公的年金には自営業者らが入る国民年金のほか、会社員の厚生年金、公務員の共済年金、障害者らの福祉年金の4つがある。12年度の支給総額は前の年度に比べると1兆168億円増えた。1993年度(約26兆円)から20年近くで2倍に膨らんだ。一方、保険料を払っている公的年金の加入者は12年度末時点で6736万人と、前の年度から39万人減った。
厚生労働省は12月17日、全国の労働組合の推定組織率(雇用労働者に占める組合員の割合)が6月末現在で前年比0・2ポイント減の17・7%だったと発表した。3年連続の減少で、1947年の調査開始から最低となった。