長時間労働などで若者を使い捨てにする「ブラック企業」の疑いがある事業所について、厚生労働省は17日、集中的に立ち入り調査した結果、約8割にあたる4189事業所で違反があり、是正勧告したと発表した。社員の約7割を管理職にして残業代を支払わなかった例や、ノルマ未達成を理由に基本給を減額するなどの悪質なケースもあった。是正に従わない場合は送検し、企業名を公表する方針。
集中調査は今年9月に実施。全国の労働基準監督署が同月1日に行った電話相談への情報をもとに、若者の離職率が高い企業など計5111事業所を立ち入り調査した。その結果、全体の43・8%にあたる2241事業所で「違法な時間外労働(長時間労働)」があり、23・9%にあたる1221事業所で「残業代の不払い」が見つかるなど、82%の事業所で労働基準関係法令への違反があった。
長時間労働が指摘された事業所のうち、過労死などの労災認定基準となる80時間以上の時間外労働があったのは1230事業所。うち100時間を超えたのは730事業所あった。
業種別では、長時間労働は「運輸交通業」で最も多く、調査した事業所の56・8%で違反が発覚。さらに「接客娯楽業」(52%)、「教育・研究業」(44・2%)の順で多かった。残業代の不払いは「建設業」と「接客娯楽業」がともに37%で最多。規模別では従業員10~29人の企業が33・6%で最も多く、小規模な企業ほど違反が多かった。
悪質なケースでは、20代を含む社員の約7割に係長などの役職を与えて残業代を支払わない「名ばかり管理職」が横行していた会社や、商品売り上げノルマを達成できなかったことを理由に基本給をカットする制度を設けていた企業もあった。また、パート社員に月170時間の時間外労働をさせたり、月80時間分の残業代を支払わず手当として3万円を支給するだけの会社もあった。
●ブラック企業…明確な定義はないが、社員を低賃金で働かせ、長時間労働や過剰なノルマ、パワーハラスメント(パワハラ)などを繰り返す企業を指す。2008(平成20)年のリーマン・ショックなどで就職難が深刻化したことが背景にあり、インターネットを中心に広く知られるようになった。労働環境の過酷さから社員の離職率が高く、残業代不払いなど労働法に違反する事例も多いとされる ※2013/12/17 産経新聞
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<小難しい話は一切シャットアウト~!>
もう聞き飽きた感すらある「ブラック企業」。ブラック企業にも、軽微なものから非常に悪質なものまで、色々レベルがあります。
問題は特に悪質なケース。「給料もらえるだけ十分だろ。それ以外の条件は目をつぶれ」ということで、「年次有給休暇」とか「法定労働時間」「変形労働時間制」「36協定」といった、小難しい話は一切シャットアウト<(`^´)>!という事業主もいるんじゃないかと思います。 ホントは労働法を上手に使いこなす(※残業代を羽振りよく出すという意味でない)ことは、いい従業員を囲うためにも、経営的に大事なんですがね。労働法ってそこまで甘々の法律でもないです。
<働く際のお互いの約束(労働契約)を守っていないということ>
結局のところ、上に立つ方々の(場合によっては労働者側にも)潜在意識の中に、「労働契約」はかなり軽く見られているんだろうと思います。お互いの約束なんですが、入社当日から、もう守られない( ̄▽ ̄)。 日本では「働くということ=契約」という考えがまだ根付いていないためでしょうか? 個人的には、色々な休暇制度を設けるよりも、今ある制度をもっと守って(活用して)ほしいと思います。