ワタミグループは5月12日、創業30周年を記念して横浜市で社内イベント「創業記念祭」を開いた。集まった3000人の社員らを前に、同社創業者である渡邉美樹参議院議員が、「24時間365日死ぬまで働け」を撤回すると正式に表明した。 「24時間365日死ぬまで働け」という一文は、社員向けの冊子「理念集」に記載していた。同社幹部によると「24時間365日働けという意味ではなく、勤務時間が終わっても常に仕事のことを考えていてほしい」という経営者の願いを込めていたという。 だが、2008年に当時26歳の女性社員が入社2カ月後に自殺した問題を機に、社会からの批判が強くなり、ここ1-2年ではワタミがブラック企業の代名詞のような受け止め方があった。 自殺した社員の遺族も「24時間365日--という言い回しは、社員が会社に尽くすことを強いる思想が感じられる」として、厳しく批判していた。 そこで同社は、理念集で「24時間365日死ぬまで働け」という一文を撤回。その代わりに「仕事とは、生きることそのものである」という表現に変えた。すでに全社員に配布済みの理念集については、シールを貼ることで対応するという。 渡邉参議院議員は、「仕事とは、単なる時間とお金のやり取りではなく、人生そのものであり、自分を成長させてくれるもの。労働は決められた時間内で行うことが前提だが、仕事が終わった後も心を配り、自分の仕事を振り返ってほしい」と話した。 同社は2014年3月、「理念研修」を廃止したほか、その他研修や会議、ミーティングの時間を大幅に削減することを発表した。一般職では、年間244時間から同80時間に、店長職では年間275時間を同140時間に減らした。 さらに、全体の店舗数の約1割相当にあたる60店舗を2014年度中に閉鎖し、1店舗あたりの平均社員人数を現状の 1.66 人から 1.83 人(目標 2 人)に引き上げる。従業員の実質的な負担を減らし、労働環境を改善していく考えだ。※オルタナ副編集長=吉田広子)
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労働者と経営者は、お互い利益相反する部分がありますので、本来永遠に平行線。やはり一般労働者を経営者的な行動で臨むのは、いささか難があるように思います。