<ワーキングプアに続いてガールズプアもヒット作になる?>
昔、NHKの番組で、働いても働いても暮らしが楽にならない「ワーキングプア」という特集が大反響を呼びました。
フルタイムのバイトが生活保護より悪い生活条件だということは、みんな薄々感づいていたんだけど、わかりやすく体系的にまとめたものはありませんでした。あの放送を契機として、生活保護や最低賃金の在り方がかなり注目を集めることになったと思います。
そして今回、貧困のために風俗で働くことになった若年女性の様子を「ガールズプア」としてNHKが特集しました。これもまた、みんななんとなく感づいていたんだけど、わかりやすく体系的にまとめたもので、なにか新たなヒット作の予感がします。
※平成26年1月27日放送のNHK「クローズアップ現代」:特集「あしたが見えない ~深刻化する『若年女性』の貧困~」より。
<社会保障が風俗に敗北した!>
番組内容によりますと、20代シングルマザーの80%が年収114万円未満の貧困状態にあるそうです。 子供を抱えながらですから、保育の状況が確保されたうえで働くため、なかなか厳しい状況になります。
じゃあ生活保護はといいますと、生活保護法では、役所が申請を受けて決定か却下を判断するまでの期間は「原則14日以内」と定められているものの、生活保護申請に2~3か月かかると言われ、役所窓口で申請を受け付けない「水際作戦」の被害を受けたらしい。 そこで番組内の女性は、昔経験した風俗の世界で働こうと決めたようである。
実際問題、「性産業が職や住居、保育までを含めたしっかりとしたセーフティネットになってしまっている」
と指摘。公的機関ではそうした包括的なサービスが提供できておらず、
「社会保障の敗北といいますか、性産業の方が、しっかりと彼女たちを支えられているという現実だと思う」
としている。
※なおこういった夜の世界は、昼間の世界ではなかなかお目にかからない「悪い人、コワーイ人、くろーい部分」もあったりしますので、求人広告を鵜呑みにしないでいただきたい。
<建付けだけ整えても・・・>
年金・医療・生活保護など、日本の社会保障制度は、建付けとしては立派なのかもしれませんが、複雑でワンストップ化していないので、使い心地が全然よろしくない(こんな状態で、世界に社会保障制度を輸出しようとしているようですが・・・)。
社会保障制度の専門資格である「社会保険労務士」でさえ、複雑で法改正も多く手を焼いているくらいなのですから。。。
今、目の前に困っている方を救済できておらず、むしろ一部の悪いことをたくらんでいる人たちが、存分に使いこなしている感すらあります。
携帯電話でスマホが売れているのは、ものすごい革新的技術の商品で売れたというよりは、シンプルかつワンストップで、電話・ネット・メール・カメラ・ゲームなどができてしまう使い心地の良さにあると思っています。
日本の社会保障制度が、不正受給は厳罰化しつつ、もっともっとわかりやすい制度になればなあと思っています。