01月

【図解】ブラック企業VSモンスター社員のスペクトル

2016.1.17

 

私が法学部の学生の頃は、まだ労働法は、人気の無い非常にマイナーな分野でした。

(憲法・民法・刑法・商法などメジャーな勉強ばかりでした)

労働法(労働基準法、労働契約法など)とは、基本的には、「弱い労働者」VS「強い使用者」が実質的に対等であるようにするために、作られています。

仮に使用者側が強すぎると、今風の言い方だと「ブラック企業」ということになります。

歴史をたどれば、基本的には、使用者側が強い立場です。

ただ、必ずしも使用者側ばかりが「デビル(Devil 悪魔)」とは限りません。

昨今の人手不足や、労働法の整備、そしてネット等による情報収集によって、労働者側が強い立場になる場面も出てきます。

そうなってくると、今度は、身勝手な行動や言動をふるまう、今風の言い方では「モンスター社員」という場面も表れてきます。

職場における人間の心理とは、このように流動的なものです。

従業員が多くなればなるほど、揺れ動く人間の心理を、うまくコントロール(労務管理)していくことが必要になってきます。

【社保】2016年、厚生年金未適用問題が話題に

business3
※2016/1/14 毎日新聞
本来は厚生年金に加入する資格があるのに、国民年金に加入している人が約200万人いると推計される問題で、安倍晋三首相は13日の衆院予算委員会で、厚生年金への加入促進対策を強化する方針を示した。事業所が保険料負担を逃れるため加入の届けをしていなければ義務違反に当たる。夏の参院選を控え、野党の追及をかわす狙いもあるとみられる。

 「加入漏れ」とみられる79万事業所すべてに調査票を送付するほか、日本年金機構が個別調査を行う。今年度から3年間は厚生年金適用対策の集中期間で、年金機構はすでに79万事業所に文書や電話で指導しているが、昨年11月末の加入は約6万3000件にとどまっている。

 首相は予算委で「事業所が責任を果たさない状況を放置するのは問題だ」と発言。対象者の把握のため、年金事務所が国民年金に加入している人の就労実態を確認したり、市町村が関連情報を年金事務所に提供したりするよう求めることなどを検討することも表明した。

 厚生年金は法人事業所のほか、従業員が常時5人以上いる個人経営の事業所(農林水産業などを除く)の加入を義務づけている。正社員のほか、勤務時間・日数が正社員の4分の3以上あるパートなども対象だ。保険料(月収の17.828%)は従業員と事業主が半分ずつ負担し、国民年金より給付も手厚い。

 ただ、アベノミクスの恩恵が波及していないとされる中小・零細事業者にとって保険料負担は重い。年金機構の担当者は「経営状況が大変で払いたいけど払えないというケースが多い。何回も指導が必要だ」と話しており、加入促進は簡単ではなさそうだ。

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<なあなあが多い、労働社会保険年金制度>

長妻議員による、厚生年金の未適用事業所問題の追及が始まりました。

2016年、参議院選挙が行われますが、2007年の参議院選挙の「年金記録問題」で第一次安倍政権が大敗したときを思い起こさせます。

もしかすると、安倍首相にとって、長妻議員による年金・社会保険制度に対する追及は、「鬼門」になっているかもしれません。

鬼門とは(大辞林)
① 陰陽道(おんようどう)で,鬼が出入りするとされる,不吉な方角。艮(うしとら)(東北)の方角。 「 -にあたる」
② 俗に,行くとろくな目にあわない所。また,苦手とする人物や事柄。

 

ところで日本は法治国家を標榜していますが、社会保険労務士が取り扱う「労働・社会保険、年金」制度は、法律通りに事が進んでいない、「なあなあ」で過ごしてきた部分が多くあります。

標題の「厚生年金未適用」や「年次有給休暇未取得」などがそうです。

社労士は、法律通りに運用されていないこのようなお悩みを聴いたりすることも、仕事の1つであります

【労働】野原ひろしの年収を国税庁調査と比較

2015.1.13
ごぞんじ「クレヨンしんちゃん」のスペックは・・・

父、野原ひろし35歳。埼玉県春日部市に一戸建ての家を持つ。

妻、みさえ29歳 専業主婦。

子供2人(しんのすけ、ひまわり)。

アニメ第94話「ひさんな給料日だゾ」では、月収は手取り30万円でしんのすけや、みさえからは「安月給」とバカにされている。「劇画クレヨンしんちゃん」においては1億3000万の宝くじを給料20年分と発言、1年あたり650万の計算になる。一ヶ月の小遣いは3万円。 

 

足がくさいといわれながらも、若い妻と子供がいて、家もあり、年収も国税庁の調査からすれば、35歳で相当稼いでいる、とても優秀なお父さんです。

【社保】芸能人の労働・社会保険・年金

2016.1.13
2016年がスタートしましたが、このところ芸能関係が騒がしいです。

結婚・出産・離婚・不倫・グループ解散・逮捕・・・

芸能人の方は、一般社会(日常社会)とは違った、ライフスタイルを送られている人も多いことでしょう。

またそういうファンタジーの世界を垣間見せるのが、芸能人の世界です。

 

でも・・・

健康保険や年金といった、生活の支えとなる制度は、一般の方々と同じ法律を使っています

当たり前と思われるかもしれませんが・・・

ちなみに、芸能人が不祥事を起こして芸能事務所を「解雇」と報道される場合がありますが、多くの場合は、「委任・請負契約や業務委託契約に基づく専属契約の解除」を解雇と表現しています。雇用関係があったわけではないです。

個人事業の芸能人:国民健康保険と国民年金に加入
給与制度の芸能人:健康保険と厚生年金に加入

どれだけ、有名で大金持ちで華やかな世界に所属していたとしても、一般人と同様に、健康保険証を使い、年金記録が登録され、同じ生年月日の人は同じ時期に老齢年金の請求をするのです。

そんな妙に「公平」なところ(社会的地位の高い人もそうでない人も一緒に取り扱うところ)が、社労士としての面白さでもあります。

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【年金】新成人に必要な5つの知恵

2015.1.11

※2016/1/11 NHKニュース
11日の成人の日を前に、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市で成人式が行われ、震災発生当時、中学3年生だった196人の新成人が復興への決意を新たにしました。
成人式は、今も校庭に仮設住宅が残る陸前高田市の第一中学校の体育館で行われ、196人の新成人が参加しました。
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<学校で教えてくれない大人の知識>
成人式、おめでとうございます
さて大人になると、ある程度身に付けておきたい「生きるための知識」が必要です。
①運転免許の取得更新(任意保険含む)
②ネット・パソコンの基礎知識
③クレジットカードの活用
④酒・タバコ・ドラッグなど体の害悪になること
⑤社労士が扱う労働・社会保険・年金の基礎知識
他にも色々あると思いますが、新成人の方々は、まず上記5点の概略だけでも、知っておけばOKかなと思います。
その中で、私たちが扱う5番、「働くということ、社会保険や年金制度」は、学校でもほとんど教えてもらえないかと思います。
実のところ、この分野は、法改正も多いですし、学校の先生も弱い分野だと思います。
「 法律では・・・だから」ではなく、
あなたが有意義な人生を送るために、一応日本はこんな制度を用意しているんですよ」といった感じで、概略だけでも知っていただきたいなあと思っています。
ちなみに私自身も若いころを思いかえせば、「誰か分かりやすく教えて」と思ってまして・・・そんなこともあり、今この職業に就いています。

【情報】赤ちゃん5年ぶり増加と少子化対策の遅れ

2015.1.2
※2016/1/1 時事通信
 2015年に生まれた日本人の赤ちゃんは100万8000人で、5年ぶりに増加したことが、厚生労働省が1日付でまとめた人口動態統計の年間推計で分かった。
 30代女性の出産が目立ち、全体の出生数を押し上げたという。同省は「雇用情勢の改善などが影響した可能性がある」と分析している。
 出生数は、200万人を超えた第2次ベビーブーム(1971~74年)をピークに減少傾向が続いている。2014年は100万3539人(確定値)で、初の100万人割れが迫っていた。
 同省によると、15年に生まれた赤ちゃんは前年より4000人増加した。30代女性が1~6月に生んだ赤ちゃんは、前年より1万人多かった。
 一方、死亡数は前年比2万9000人増の130万2000人で戦後最多となった。死因はがんなどの悪性新生物(37万人)、心疾患(19万9000人)、肺炎(12万3000人)の順。
 人口の減少幅は29万4000人で、統計を取り始めた1899年以降で最大となった。
 婚姻件数は前年比9000組減の63万5000組。離婚件数は同3000組増の22万5000組だった。
 推計値は、1~10月の速報値を基に1年分を算出している。2015年の確定値は9月に公表される。
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結局、団塊ジュニアの出産の山(平成12年前後)が、ほとんど到来しないまま過ぎたことが、グラフからも確認できます。

国は、少子化をある程度食い止めるタイミングを、逃しました。

当時あまりに雇用・社会保障などの若者対策を怠たり過ぎたと思います(※今は、労働、社会保障分野が充実化)。