<「現役世代の50%」受給開始直後のみ>
厚生労働省は27日の社会保障審議会年金部会(厚労相の諮問機関)に、モデル世帯の厚生年金の給付水準(現役世代の平均的手取り額に対する年金額の割合)が、受給開始から年を取るにつれてどう変わるかの試算結果を年齢層別に説明した。
年金の給付水準は、もらい始めは現役の賃金水準に応じて決まり、受給開始後は毎年、物価の動きに合わせて増減されるのが基本。通常、物価(年金)の伸びは賃金の伸びを下回るため、年金は賃金の伸びに追いつけず、現役の賃金に対する年金額の割合を示す給付水準は、年々低下する。
とりわけ、15年度から43年度までは、マクロ経済スライドの適用を前提としている。この間の年金の伸びは物価上昇率よりも低く抑えられ、現役の賃金との開きはさらに大きくなる。その結果、14年度に65歳で受給を始める49年度生まれの夫婦は、最初の給付水準こそ62.7%だが、19年度(70歳)は58.1%、24年度(75歳)は51.6%と年々下がり、39年度(90歳)には41.8%に低下する。※2014/6/27 毎日新聞
<「過労死等防止対策推進法」が成立>
働き過ぎが原因で亡くなることを防ぐ対策を国の責務とする「過労死等防止対策推進法」が20日、参院本会議で採決され、成立した。過労死や過労自殺を防ぐことを理念とした初の法律。規制や罰則を定めるものではないが、日本で常態化している過重労働の改善にもつながると期待される。
法律は勤労感謝の日がある11月を「過労死等防止啓発月間」と定めている。厚生労働省は月間をことしから実施できるよう、同月までの施行で調整を進める。
国の取るべき対策として(1)過労死の実態の調査研究(2)教育、広報など国民への啓発(3)産業医の研修など相談体制の整備―を列挙している。※2014/6/20 中日新聞
★過労死防止法はあくまで理念法。具体的な措置は盛り込まれておらず、現行の労働関係の法律よりも踏み込んで、何かを制限することは想定していない。
ただし「過労死」という言葉が入った法律が成立することの意味は少なくない。これまで、厚生労働省もこの問題に取り組んできたが、主に使われる表現は「過重労働」であった。
<国民年金 納付率5年ぶり60%台へ>←クリックで詳細ブログへ
厚生労働省は二十三日、二〇一三年度の国民年金保険料の納付率は、前年度を1・9ポイント上回る60・9%だったと発表した。二年連続の上昇で、五年ぶりに60%台を回復した。年金記録問題への対応が一段落して強制徴収や免除、猶予の勧奨など滞納者対策を強化したことや、景気が上向いていることが要因としている。
ただ、所得が低く納付の全額免除や猶予を受けている人が十九万人増え、加入者全体の三分の一に当たる計六百六万人いる。除外せずに計算した実質的な納付率は40・2%にとどまるのが実情だ。
<傷病手当金など見直しを検討へ>
厚生労働大臣の諮問機関、社会保障審議会の部会は、けがや病気で働けなくなった場合に、医療保険から支払われる「傷病手当金」などについて、不当に高額な請求が行われている例があるとして、見直しに向けて具体的な検討を進めることになりました。
委員からは「手当てを計算する基準となる収入を引き上げて、不正に高額な手当を請求していると疑われる例がある」という指摘や、「不正があれば放置せず、速やかに対策を取るべきだ」といった意見が出されました。
また、海外で病気になった場合に、現地でかかった医療費を日本で加入している医療保険から支払う制度を巡っても、「実際に海外に行っていないにもかかわらず、請求するなどの不正が後を絶たない」として、見直しを求める意見が出されました。 ※2014/6/23 NHKニュース