<年金勉強会に参加>
今日(日曜)は、年金勉強会に参加。
テーマは、「繰上げ・繰下げ」
いや~、年金でも「繰上げ・繰下げ」と「併給調整」は難易度の高いところです。
特に実務上問題となってくるのが、「繰上げ」(=年金を予定より早くもらうこと)。
テレビやマスコミの一部では、
「年金が減らされたり無くなったりするので、早くもらっておいたほうがいい」なんてコメントも見かけますが、
繰上げのペナルティはきついので、要注意デス!!
個人的には、出来るだけ普通に受給されたほうが、リスクが少なく、オススメですね。
<繰上げ・繰下げの実務>
●繰上げは、①特老厚の請求と同時に老齢基礎も繰上請求のときは、102号という白(しろ)紙の用紙、 ②特老厚をすでに請求後、老齢基礎を繰上請求するときは、234号という緑色の用紙で行います。
●繰下げは、65歳前に年金を受け取っている方は、65歳到達月に65歳以降の年金受給について、ハガキ(上記写真を参照)が届くので、もしそのとき繰下げする意思があるときは、繰下げに○を打って、誕生月の末日までに返送します(1日生まれは前月末日まで)。
<繰上げ・繰下げの社労士試験問題 (H19)>
(A)障害基礎年金の受給権者であって平成19年4月1日以後に老齢厚生年金の受給権を取得した者が、その受給権を取得した日から起算して1年を経過した日前に当該老齢厚生年金を請求しておらず、かつ障害基礎年金以外の障害年金又は遺族年金の受給権者となったことがないときは、厚生労働大臣に当該老齢厚生年金の支給繰下げの申出を行うことができる。
○ まず前提として、老齢厚生年金の受給権を有する者であってその受給権を取得した日から起算して1年を経過した日前に当該老齢厚生年金を請求していなかったものは、厚生労働大臣に当該老齢厚生年金の支給繰下げの申出をすることができることとされています(=実務的には、繰下げする場合、65歳に届くハガキに繰下げの○を打ち、1年以上「ほったらかし」にしておくことが条件)。
ところが、老齢厚生年金の請求をせず、1年放置していても、繰下げできないパターンがあります。 それは老齢厚生年金の受給権を取得したときに、他の年金たる給付の受給権者であったとき、又は1年を経過した日までの間において他の年金たる給付の受給権者となったときは、老齢厚生年金の繰下げの申出を行うことはできないことになっています。今回は、障害年金や遺族年金の受給権者となったことがない、いわば通常の状態ですので、繰下げができます。
なお、障害基礎年金の受給権があった場合(キソです)については、老齢厚生年金の繰下げができます(法44条の3第1項)
(B)60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者であった者は、老齢厚生年金の支給繰下げの申出を行うことはできない。
× もう年金をもらっているのに、65歳になって繰下げする(=いったん止める)のはおかしい?ということでしょうが、そんな方にも、上記写真のとおり、繰下げの申出をするかのハガキが届きます。あくまで60~64歳の年金は特別支給の老齢厚生年金で、今もらっておかないといけない特別な年金です。
(C)老齢厚生年金の支給を繰上げて受給している者が、当該老齢厚生年金の受給権を取得した日以後65歳に達する日前に被保険者期間を有した場合には、その者が65歳に達した日の属する月から年金額の改定が行われる。
× まず、65歳になるまでは、改定されない(再計算されない)んですよね。そして、65歳に達した日の属する月の「翌月」から年金額を再計算して改定されます。例えば、8月8日生まれですと、9月分の年金から改定。なお年金は偶数月に支給なので、10月に支給する8月と9月の年金額は違ってくることになりますよ。
(D)昭和17年4月2日前に生まれた者であって、平成19年4月1日以後に老齢厚生年金の受給権を取得した者については、すべて老齢厚生年金の支給繰下げの申出を行うことができない。
× 昭和12年4月2日~昭和17年4月1日生の方は、確かに老基の繰下げ制度はあっても、老厚の繰下げはできないという制度でした(現在は、老厚のみ、老基のみの繰下請求も可能)。なお、平成16年改正で、平成19年4月1日以後に受給権発生した者は、生年月日問わず、繰下げが可能となりました。
(E)老齢厚生年金の支給繰下げの申出は、老齢基礎年金の支給繰下げの申出と同時に行わなければならない。
× 上記写真のとおり、老厚のみ、老基のみの請求も可能ですね。