週刊 座右の銘!(第4号)

週刊 座右の銘!(第4号)

2014.4.13
社会保険労務士といった士業を行っていくうえで参考になる名言集を学ぶ企画、「週刊 座右の銘!
本日は第4回目。
資格試験や語学などを学び、一発逆転の人生を考えている方へエール!

 

 

『学問のすゝめ』
 「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。されば天より人を生ずるには、万人は万人みな同じ位にして、生まれながら貴賤きせん上下の差別なく、万物の霊たる身と心との働きをもって天地の間にあるよろずの物を資とり、もって衣食住の用を達し、自由自在、互いに人の妨げをなさずしておのおの安楽にこの世を渡らしめ給うの趣意なり。
 されども今、広くこの人間世界を見渡すに、かしこき人あり、おろかなる人あり、貧しきもあり、富めるもあり、貴人もあり、下人もありて、その有様雲と泥どろとの相違あるに似たるはなんぞや。その次第はなはだ明らかなり。『実語教』に、「人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり」とあり。されば賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりてできるものなり」・・・
【訳】
 天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言われている。人は生まれながら貴賎上下の差別ない。万物の霊長たる人としての身体と心を働かせて、この世界のいろいろなものを利用し、衣食住の必要を満たし、自由自在に、また、互いに人の邪魔をしないでそれぞれが安楽にこの世をすごしていけるようにしてくれているということだ。
 けれども今広くこの人間世界を見渡すと、賢い人愚かな人貧乏な人金持ちの人身分の高い人低い人とある。その違いは何だろう? その理由は非常にはっきりしている。『実語教』という本の中に、「人は学ばなければ、智はない。智のないものは愚かな人である」と書かれている。つまり、賢い人と愚かな人との違いは、学ぶか学ばないかによってできるものなのだ。

※福沢諭吉は、「天は人の上に・・・」と平等思想を説こうとしていたわけではなく、「勉強しまくって勝ち組に入れ。異国に支配されたくないなら学問を修め、国を豊かにして、力をつけよ。」と学問の重要性・必要性を説いています。
原文を読んでみると、今の時代からすれば、放送コードに引っかかりそうな表現ですが、直接的で端的に重要性を述べています。

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