【記事1】※2014/1/17 時事通信
菅義偉官房長官は17日午後の記者会見で、社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の年金記録問題に関する特別委員会の報告書で依然、未解明とされている約2100万件の年金記録に関し、これ以上の解明は困難との認識を示した。
菅長官は未解明分について「解明には本人からの申し出が必要だ。申し出がなければ、なかなか難しい状況だ」と指摘。「国で実施できる作業は一通り終え、そのめどが見えてきたと報告を受けた」と述べ、政府としてこれ以上の対応には限界があるとの立場を示した。
一方で菅長官は「一人でも多くの方が年金記録を解明できるように、粘り強く『ねんきんネット』などを充実していく必要がある」と強調した。
【記事2】※2014/1/17 テレビ朝日
いまだに2000万件を超える年金記録が「宙に浮いた」ままとなっています。
誰のものか分からない「宙に浮いた5000万件」などの年金記録問題では、厚生労働省が行ってきた9億5000万件ある紙台帳の記録の確認が今年度で終了します。17日、これまでの対応を検証した報告書がまとめられました。4000億円を超える費用が投入されましたが、未解明の年金記録はいまだに2112万件あり、新たに記録が見つかるのは「限定的になっている」としています。一方、記録確認の通知に返信がない場合も多く、一部の委員からは「自己責任ではないか」という声も上がっていました。
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<年金記録問題は誰が悪い?>
菅長官が述べられているように、「宙に浮いた年金記録」をすべて基礎年金番号に結びつけるのは、困難です。
これは誰が悪いのか?
政治家、官僚、会社、組合・・・色々な考え、意見があるかと思います。
個人的には、そもそもミスが発生しやすい制度設計をした、当時の学者さんらも責任があるんじゃないかと思います。
しかし根本的には、上に立つ方々(政治家・官僚・・・)の問題を先送りした心の弱さにあるのだと思います。
誰だって泥をかぶりたくないですからね。 そして現在も(いずれ年金の支給開始年齢を遅らせることなど)それは続いています。
平成19年、第1次安倍内閣のときに、この年金記録問題が話題になりました。
「最後のお1人にいたるまで、きちんと年金をお支払していく」というのは、年金を触ったことのある社労士や社会保険事務所の職員なら「無理」と分かっていました。 でもあのとき、まだ若かった安倍さんが、泥(それも汚泥)をかぶって、年金問題を正面から取り組もうとした姿勢を私は評価しています。 他の政治家の方だったら、ここまで問題を大きくせず、上手に蓋をしてしまっていたように思うのです。
<解明が非常に困難な理由>
どうして解明が困難なのか? 年金記録の調査をしていた自分の体験から、3つの理由があるように思います。
①量が膨大
②関心が無い
③見つけるのにテクニックが必要
①はすぐに思いつくと思います。なにせ、5,000万件あった宙に浮いた年金記録がいまだに2,100万件も残っているのですから(ここから先の解明がしんどい)。
そして意外にも②の方も多いため、協力が進まず、なかなか解明できません。
さらに問題は③です。「ねんきんネット」を自分が使いこなせればいいですが、なかなか難しい。
そうすると、年金事務所などで調査ということになるのですが・・・これがまた少々テクニックがいるんです!
「上手に聞き出す能力」「パソコンで紙台帳を検索する能力」は、ある意味職人技です。
これら3つの理由により、解明が難しい状態となっています。
<私のプチ自慢「年金記録調査」>
この年金記録調査、実は結構得意(好き)です。なんか「宝探し」している感覚で、見つかると喜ばれるので、今も時々行っています。 年金記録の調査のポイントを下に載せましたので、ご興味のある方は、画像をクリックし大きくして確認してみてくださいね。