このブログ・動画では暮らしや経営に役立つ「社会保障」についてお届けしております。
今回は、「ご病気の方、傷病手当金をご存じですか?」について、わかりやすくお話しして参ります。
そもそも「傷病手当金(しょうびょうてあてきん)」って何?について、お話ししておかないといけませんね。
私も経営者の方や、従業員の方、さらには社労士以外の士業の方に、「傷病手当金」のお話をしますと、多くの場合驚かれます。
社労士としては当然と思っていることでも、実際多くの方は「知らない」「聞いたことがあるけどよく分からない」という場合が多いです。
「傷病手当金」って簡単に言えば・・・
会社員の方が病気で働けないときの、休業補償制度
です。
えー! 働いてない間、お金出るの?
出るんです。健康保険証持っているでしょ?
これって、病院へ行ったとき3割負担でOKのものでしょ?
治療費を安くする以外にも、働けない間に所得の補填(ほてん)をする機能もあるのですよ!
健康保険には、「治療費の補てん」と「所得の補てん」の両方があることを押さえておいて欲しいですね。
この前、インフルエンザで1週間休みをとったんですけど、さすがに風邪じゃだめですよね。
公休日を含め3日以上連続で休んでいたら、4日目以降支給される可能性ありますよ!
えー!
「傷病手当金」の請求モレは、かなりの数にのぼると思われます。
【傷病手当金の支給4要件】
①業務外の病気やケガで療養中であること
(業務上や通勤上の傷病は労災扱い)
②療養のために仕事に就けないこと
(担当医の意見をもとに、今まで従事していた仕事に就けるかどうかを判断)
③3日以上連続して仕事を休み、4日以上休んだとき、4日目から支給
(例えば金曜日に風邪で休んで土日公休なら、4日目の月曜日から支給)
④給与を受けていないこと
(休職期間に手当や給与などの支給があれば、支給額を減額調整)
【支給額】
給与額のおおよそ67%(2/3)が支給されます。
ちなみに今、ゴホゴホと咳をしながら、このブログを作成しております(^_^;)
しかし私は現在、自営業で国民健康保険です。
傷病手当金はありません。
会社が加入している「健康保険」には、傷病手当金制度があり、所得保障機能が付いているため、私からしたら羨ましいですね。
ところで風邪で休んだ時、有給消化で対処するか傷病手当金を受給するか、迷うことがあります。
そもそも傷病手当金が支給されない、連続3日の待期期間については、公休日以外は有給消化をされてもいいでしょう。
4日目からが問題です。
<傷病手当金派>
<有給休暇派>
逆に、傷病手当金は給与満額支給でなく、標準報酬月額の2/3支給であることから、給与の目減りを心配される方もいらっしゃいます。
「ほとんど有給消化してないから、この際しばらくは、満額受給できる有給消化に充て、その後傷病手当金」という考えも有りだと思います。
どちらで処理するか、よく考えておきましょう。
傷病手当金請求は、そんなに難しい話ではないです。
しかし本人はもちろん、会社の総務の方も知らなかったりするので、そういった意味で難しいのかもしれません。
あと保険請求なので、堂々と請求したいところなんですが、「医者のサイン」「会社のサイン」も必要だったりして、「面倒」「手間をわずらわせたくない」「何か言われそう」と、人間関係で請求を躊躇(ちゅうちょ)される方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、しっかり請求したらいいと思います。
会社が損することは無いですから。。。
なお会社の役員も支給される権利は持っていますが、役員報酬が止まっていないと受給は難しいです。
また傷病手当金は、あくまで被保険者本人のみで、家族が病気の場合は、「診療費の補てん」はあっても、「所得の補てん」である傷病手当金の支給は無いです。
⇒医者にサインをお願いする
【会社が行うこと】
⇒「協会けんぽ」へ傷病手当金請求書を郵送または持参すること
※組合健保の場合は当該組合へ提出。
請求を忘れていた方も、時効は2年ですので、
条件次第では、今からでも傷病手当金が支給されますよ。
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