社労士会支部の研修で、監督署職員が講師の労災研修がありました。
タイトル名は、「今更聞けない労災手続きのコツ 第三者行為災害」です。
個人的に第三者行為災害は、社労士試験では難儀しました(^_^;)。
難しい言葉で言えば、
「保険者である政府、保険加入者である事業主及び保険給付を受けるべきものである被災労働者またはその遺族以外の者の加害行為等によって発生した災害」
です。
ちなみに、そもそも第三者行為になるか否かが問題になるときがありますが、
加害相手の名前は不明だが、本人が誰かは知っており特定できる場合。
加害相手の名前はもちろん、本人が誰かも分からない。
※駅の混雑で肩がぶつかり、ケガをしたなど。
第三者行為災害の扱いとなって、労災保険を使うと、労働局長から加害者に対して「求償」行われます。
第三者行為災害の典型的なパターンは、自動車事故です。
労災での自動車事故により、「傷害」「後遺障害」「死亡」などが発生したとき、加害者が加入していた自賠責保険(強制保険)から給付が行われます。
たとえば「傷害」ですと、治療費や慰謝料などが、最大120万円支払われます。
で、ここがポイントなんですが、この自賠責から支給される120万円に、労災保険や任意保険会社が「群がる」んだと考えると少し謎が解けてきます。
「自賠責」を使うか、「労災保険」を使うかという、選択関係が発生するのが、労災保険なのです。
なお労災側では、精神的損害や物的損害は、保険給付によっててん補されませんので(あくまで従前の所得保障)、慰謝料、見舞金、香典等の名目でこれらについて、自賠責保険で損害賠償を受けても、調整の対象とはされません。
さあ、あなたが受け取る120万円をどう振り分けるか?という問題が発生するわけですが、さらにここで、「過失割合」の問題もからんできます。。。
被害者の過失割合 | 後遺障害、死亡 | 傷害 |
7割未満 | 減額なし | 減額なし |
7割以上8割未満 | 2割減額 | 2割減額 |
8割以上9割未満 | 3割減額 | 2割減額 |
9割以上10割未満 | 5割減額 | 2割減額 |
う~んなかなかムズイですよね。
めったに起こらない(起こってほしくない!)労災ですが、イザ起こった時には頼りにされる、、、そんな社労士になれたら・・・と思った1日でした。
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