【労働】「見せかけ高給」求人広告とは?

【労働】「見せかけ高給」求人広告とは?

2014.3.3

※2016/2/9 NHKニュース
企業が求人を行う際、残業代を含めた金額を示して給料を実際より高く見せかけるケースが相次いでいるとして、いわゆる「ブラック企業」の問題に取り組む団体が厚生労働省に対策を申し入れました。
申し入れを行ったのは、NPO法人や弁護士などで作る団体「ブラック企業対策プロジェクト」です。
厚生労働省は、求人を行う企業に対して基本給と残業代を明示するよう求めていますが、この団体によりますと、求人情報に残業代を含めた金額を掲載して給料を高く見せかけるケースが相次いでいるということです
中には、全国に展開する居酒屋チェーンが初任給としていた給料に、月80時間の残業代が含まれていた悪質なケースもあったということです。この居酒屋では新入社員の男性が過労死したということです。
申し入れでは、若者がだまされて就職している実態があるとして、国に対して企業の求人に給料の情報を正しく掲載させるよう対策を求めています。
ブラック企業対策プロジェクトの今野晴貴共同代表は、「人手不足で悩む企業が実態とは異なる好条件で人材を確保しているのではないか。もっと待遇のいい企業に就職できたはずの若者がだまされてしまっている」と話していました。
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<「固定残業代」という制度>
「月給○○万円(固定残業代含む)」という求人を見かけたことはありませんか?
一般的な感覚からすると、「月給○○万円」とあれば、もし残業すれば、さらに余分にお金がもらえそうですが、そうならないものです。
ある意味、経営サイドの苦肉の策です(なお、制度そのものは法令違反ではありません)。
私も初めて知った時「うまいこと考えたな」と思ったものでした。
 経営サイドとして、この制度のいいところは、

①決められた時間まで、残業代計算の手間が省けます
②「固定残業代」は、割増賃金の項目対象外のため、残業単価を抑えることができます
③仕事の遅い人が残業しても、割増賃金を支払わなくて済みます
 
労働者サイドとして、この制度のいいところは、
①残業しなくても残業代が出ます
労働者側として、一番懸念されるのは、
ちょびっとの固定残業代で、いつまでも残業させられるのではないか?
ではないでしょうか。
実は、固定残業代の内訳がしっかりしていなかったり、就業規則などであらかじめ知らせていない、固定残業代はアウトです。
だから本当は、その心配は無いはずなんですが、中には、大幅に残業させている会社もあるのだと思います。
ただ、残業代の計算は、特に深夜や休日が絡むとなおのこと、面倒です。
体力をかなり奪います。
そのため経営側としては、検討をしておきたい制度です。

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