市場経済とは、市場を通じて財・サービスの取引が自由に行われる経済のことです。
考えとしては、人々が自由に競争し経済活動を営むことによって、目には見えないけれども、うまく経済活動やサービス向上が自動的になされていくので、国は、極力介入しないほうが良いということです。
社会主義国家より資本主義国家が経済的に豊かになったのは、市場経済でうまくいったためです。
これに対して「市場の失敗」とは
需要と供給の均衡により最適な配分を実現し、安定した経済を形成すると考えられている市場メカニズムは、多くの経済学者から支持を得ている方法である。
ただし、人々や企業が利潤を最大化しようと利己主義的に行動(見えざる手)にしたことで、社会的に望ましくない、最適ではない結果がもたらされるケースもあること。 例えば、独占や寡占、失業や公害、貧富や地域格差などの「市場の失敗」と呼ばれるものが生じる。(wikipedia) |
つまり、民間が自由に活動するだけでは、うまくいかない場面も発生することを、「市場の失敗」と呼んでいます。
<運送業界における「市場の失敗」>
上記のように、運送業界においても基本的には、経済活動を自由にさせておく必要があります。
しかしながら、運送業界(バス、タクシー、運輸)の特徴として
①サービス向上・改善の余地がほとんど無い
②参入障壁が低い
となると、「価格勝負」だけになりがちです。
運送業界の価格勝負とは、結局のところ「人件費削減の極大化」くらいしか方法は無く、働く人の健康や交通事故といった重大災害をもたらします。
従来、市場の失敗といえば、上記枠内のことを学びました。
一時期、運送業界の規制緩和が流行りましたが、もうこれは、「市場の失敗」の学習単元として新たに加えてもよいように思います。
単元とは 一定の教育目的のためにひとまとめにされた学習計画。教材や学習活動を主題ごとに関連をもたせて組織したもの。カリキュラムの構成単位。学習単元。(大辞泉) |