政府の成長戦略に盛り込まれた雇用制度の改革として、解雇などの争いを金銭で解決する新たな制度についての議論が、厚生労働省の検討会で始まりました。こうした制度については「金銭さえ支払えば解雇できるようになる」として懸念する声もあり、検討会でも意見が対立しました。
検討会は厚生労働省が設置したもので、労使の代表や法律の専門家など20人が出席して、29日に初めての会合が開かれました。
現在、解雇などの労働紛争を解決する手段としては、民事訴訟のほか労働審判などがありますが、政府の成長戦略では、日本の雇用慣行が諸外国から見て不透明だとして新たな制度を創設することが盛り込まれました。これを受けて検討会では、解雇が不当で無効とされた場合、職場への復帰の代わりに金銭で補償する制度などについて検討することになりました。
こうした制度については「補償のルールが透明で客観的になり労働者の利益になる」とする意見がある一方、「金銭さえ支払えば解雇できるようになる」と懸念する声もあり、検討会でも意見が対立しました。
検討会の委員のうち、制度の導入に賛成する昭和女子大学の八代尚宏特命教授は「国際的にも対応できる金銭補償のルールの法制化を急ぐ必要がある」と話していました。
一方、反対する連合の村上陽子総合労働局長は「今の紛争解決制度がきちんと機能しているので新たな制度は必要ない」と話していました。
検討会は月に1回程度開かれる予定で、厚生労働省は「慎重に議論を進めたい」としています。
現在、解雇などの労働紛争を解決する手段としては、民事訴訟のほか労働審判などがありますが、政府の成長戦略では、日本の雇用慣行が諸外国から見て不透明だとして新たな制度を創設することが盛り込まれました。これを受けて検討会では、解雇が不当で無効とされた場合、職場への復帰の代わりに金銭で補償する制度などについて検討することになりました。
こうした制度については「補償のルールが透明で客観的になり労働者の利益になる」とする意見がある一方、「金銭さえ支払えば解雇できるようになる」と懸念する声もあり、検討会でも意見が対立しました。
検討会の委員のうち、制度の導入に賛成する昭和女子大学の八代尚宏特命教授は「国際的にも対応できる金銭補償のルールの法制化を急ぐ必要がある」と話していました。
一方、反対する連合の村上陽子総合労働局長は「今の紛争解決制度がきちんと機能しているので新たな制度は必要ない」と話していました。
検討会は月に1回程度開かれる予定で、厚生労働省は「慎重に議論を進めたい」としています。
※2015/10/30 NHKニュース
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<システムは整っているものの・・・>
ここ数年、労働法が整備されたことで、解雇のルールは、ある程度明確になりました。
また、紛争解決制度も整備されており、システムは整っています。
このように、解雇された場合の解決制度が整っているので、不要であるという意見はあります。
<金銭解雇のルール化は立場の弱い労働者にも必要>
しかし、いくら立派な制度があったからといって、回ってなければ意味がありません。
きちんと紛争解決制度を活用しようと思ったら、ある程度の知識、時間的余裕、金銭的余裕が必要です。
どんなに不当な扱いをうけても、争っている「暇」があるなら、1日の空白も無く、次の転職先に就職したいという人も大勢いることに、目をつぶってはいけません。
また、解雇紛争の労力や精神的ダメージは、労使とも相当なものです。
夜も眠れなく、遺恨を残す場合もあります。
「金銭で何でも解決なんてダメ」なんて意見もありますが、金銭で明瞭に素早く解決できることが、よりよく人生を過ごすうえで大切だと思います。
確かに金銭で安易に解雇の風潮の懸念はありますが、それでも、よりよく人生を過ごす上で「金銭解雇のルール化」は労使とも必要な制度であると思っています。