2015年1月21日から始まる世界経済フォーラムの年次総会「ダボス会議」を前に、貧困の撲滅に取り組む国際NGOは、世界の人口の1%の富裕層が世界の富の半分以上を握る可能性があると指摘し、貧富の格差が広がるのを防ぐために速やかに対策を取るべきだと訴えています。
国際NGO・オックスファムは、スイスの金融機関の集めたデータなどを分析し、19日に報告書を発表しました。
報告書では、世界の人口を、富裕層、比較的豊かな層、その他の層の3つに分け、人口の1%に当たる富裕層の平均資産は1人当たり270万ドル(日本円でおよそ3億1600万円)で、人口の80%に当たるその他の層の平均資産は1人当たり3851ドル余り(45万円ほど)になると示しています。
そして、富裕層が持つ資産の割合は、2009年は44%でしたが、去年は48%まで増え、富裕層がより多くの富を握る傾向が強まっているとしています。
さらに、貧富の格差が一層拡大し、このままのペースが続けば、来年までに世界の人口の1%に当たる富裕層が世界にある資産の50%以上を手にすることになると指摘しています。
報告書では、去年10億ドル以上(1170億円以上)の資産を持つ大富豪は世界で1645人と過去最多になっていて、このうちおよそ30%はアメリカ人で、富の集中を裏付ける結果となっています。
オックスファムは、21日から世界の首脳や経営者が集まってスイスで開催される「ダボス会議」を前に、世界で貧富の格差が広がるのを防ぐために速やかに対策を取るべきだと訴えています。※2015/1/20 NHKニュース
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