医療現場と労働基準法の無力さ

医療現場と労働基準法の無力さ

2014.1.15
看護師や助産師などの看護職員の就労支援を行う全国のナースセンターで、平成24年度の看護師の求人倍率が平均3・17倍と11年度の調査開始以来初めて3倍を超えたことが14日、日本看護協会のまとめで分かった。協会は「看護師の資格を持ちながら結婚などで退職し復職していない『潜在看護師』の復職支援などに力を入れたい」としている。

 まとめによると、助産師なども含めた看護職員の求人倍率が高かったのは愛知県(4・11倍)▽長野県(3・92倍)▽愛媛県(3・78倍)▽福島県(3・40倍)▽三重県(3・39倍)-の順。

 病院や介護保険施設などの求人の約7割は常勤の看護職員を求めていたが、求職者の半数近くは非常勤やパート勤務を希望していた。協会によると「常勤で働きたい人は減少傾向にある」という。

 協会は毎年、各都道府県に置かれるナースセンターでの求人動向を分析。資格を持ちながら働いていない「潜在看護師」は71万人いるという研究結果もあり、厚生労働省は看護師の登録制度を検討し、看護師の離職防止や再就職支援策を進めている。 ※2014/1/14 産経ビズ

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<求人倍率4倍!の看護師求人>
看護師が足りていないという報道は聞いたことがありましたが、愛知県がこれほど足りていないとは思いませんでした。
でも愛知県や三重県で足りていないのは、なんとなく想像ができます。
それは、愛知県の求人倍率が、東京に次いで高いという位、こちらでは仕事がたくさんあるからです。
だから、看護師を退職して、別の仕事に就く方も多いのだろうと思います。
看護師の月給は悪くないと思いますので、原因は『過重労働』にあるのだと思います。

 

<労基法の無力さを痛感する「現場」>
私は医師、看護師、教師といった仕事をしたことがありませんが、俗にいう聖職者とよばれる職業は「長時間労働」かつ「労働密度も高い」です。労働環境はあまり良くありません。
どんな職場でも「現場」を目の前にして、「労働基準法」という法律は、なんとも無力です。
「ヤレ!」といわれたら、頭でつべこべ考えず、手や体を動かすのが「現場」ですから。。。
看護師の求人がこれだけ多いということは、これから就職すれば、長時間労働が求められるだろうと想像がつきます。
 ただどんなに好きな仕事でも、「限度」っちゅうもんがあります。
本来、需要と供給のバランスで、ある程度均衡してくるものなんですが(=つまり医療費や授業料が高くなれば客は減る)、市場原理が働かない職場では、難しいでしょう。
これからも、高齢者の割合は増えていきますし、医療も高度化していきますので、このままではさらに労働環境は悪化していきます。
為政者の方には、少しでも医療現場が改善されるような改革をお願いしつつ、今日も現場で働いている方々は、なかなか改善されないであろう労働環境の下、健康に気を付けていただきたいと願っています。病気を治すところで、病的になるような働き方はやっぱり良くないです。

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