マクロ経済スライドなんてヤメてしまいたい

マクロ経済スライドなんてヤメてしまいたい

makuro2013政府が来年行う、今後およそ100年間の公的年金の財政状況の検証では、年金財政を長期的に安定させるため、支給額を一定の期間、保険料などで賄える範囲内に抑える「マクロ経済スライド」と呼ばれる仕組みを初めて発動する時期をどのように示すのかが焦点になりそうです。

来年は、公的年金を巡って、政府が5年に一度、物価や賃金の見通し、それに人口推計などの指標を前提におよそ100年後までの財政状況を検証する年に当たります。 政府は、厚生年金の支給水準について、現役サラリーマンの手取り収入の50%を確保すると約束しており、今回の財政検証では、この水準を今後およそ100年間確保できるかが焦点になります。 また、年金制度には、支給額を、一定の期間、保険料などで賄える範囲内に抑える「マクロ経済スライド」と呼ばれる仕組みがありますが、これまで発動されたことはありません。 これについて、政府の社会保障制度改革国民会議などは年金の支給総額の伸びを抑制し、年金財政を長期的に安定させるため、発動すべきだと指摘しています。 このため、今回の財政検証で、この仕組みを初めて発動する時期をどのように示すのかも焦点となりそうです。※2013/12/29 NHKニュース

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<「物価スライド」と「マクロ経済スライド」>

物価スライド:物価変動率に応じて年金額も変動させる仕組み(←シンプル!)

マクロ経済スライド:給付と負担を長期的に均衡させる仕組み。そのための方法として、物価変動率以外にも、①少子化(公的年金加入者の減少) ②高齢化(平均余命の伸び)を年金額に反映させ、その伸びを賃金や物価の伸びよりも抑えるようにする(←???)

 

<マクロ経済スライド⇒こっそり年金給付額を抑制する仕組み>

年金財政は苦しいのに、なかなか政治家の方々は改悪に踏み込めません。 だから早い話、年金額を下げるのが難しいなら、年金額が上がろうとするときに、「自動的に」抑制する仕組みを組み込んだのがマクロ経済スライド。 そうやって給付と負担を長期的に均衡させ(=100年安心プラン)年金財政は大丈夫!という風にしました。 でもまだ一度もマクロ経済スライドが発動していません。 早く発動して年金給付額を実質的に抑制していきたいのに・・・・・。

 

<マクロ経済スライドは分かりにくい>

本当は、「①ガツンと今の年金給付額を切り下げて、 そして②元の物価スライド方式で実質的価値の保障」のスタイルのほうが、シンプルで分かりやすいし将来的にもいいと思う。

それができないから、マクロ経済スライドという「手品」を活用しなければならないんでしょうが、もうほんと分かりにくいし、それが現場の年金相談でも納得されずに年金不信にもなっています。

いずれ年金支給開始年齢を68歳などに遅らせ、若者にしわ寄せがくるのであれば、マクロ経済スライドなんて止めて、「年金世代は年金額引下げ&現役世代は支給開始年齢引上げ」をセットにして、シンプルな制度にしてほしいと思います(難しいでしょうが・・・)。 マクロ経済スライドの発動はせず給付抑制が遅れるわ、支給開始年齢も68歳になるわでは、現役世代はたまりません(>_<)。

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