原子力規制委員会の審査対応をしていた関西電力の課長職の男性が過労自殺した問題で、福井労働局敦賀労働基準監督署が関電の社長を出頭させ、全管理職の労働時間を適切に把握するよう求める指導票を交付していたことが15日、分かった。関係者が明らかにした。福井労働局で6日、手渡した。 ※2017/1/16 日本経済新聞 |
<厚労省は原発再稼働の申請業務を、労基法の制限から外す。ただし高浜原発は対象外> 労働基準法で定める残業時間の上限は、通常は40時間です。ただし、厚生労働省は2013年11月、原発再稼働に向けた原子力規制委員会の審査に対応するための電力会社の業務については「公益上の必要により集中的な作業が必要」として、審査対応業務には年360時間の上限以外は適用しないとする通達を出していました。なお対象となるのは、通達の出た時点で申請のあった原発で、高浜原発1・2号機は対象外でした。 |
<残業時間は200時間におよぶ> 自殺した男性は、審査手続きの申請資料にミスが見つかるたびに規制委の対応に追われました。 労働時間は1月から急増し、2月の残業は約200時間と推定されております。 なお、4月に自殺した男性は、10月には過労自殺による労災認定を受けました。 |
<「管理監督者」の取扱い> 労働基準法上の「管理監督者」は労働時間、休憩及び休日に関する規定の適用除外で、残業代の支給対象外です。 ただし、①深夜業(PM10:00~AM5:00)の残業代 ②安全配慮義務は適用されるので、時間外労働など労働時間の把握は必要です。 今回は②について、指導があったようです。 一般労働者ではなく、管理職の勤務実態の調査を求めるのは極めて異例でした。 |
大企業のトップに長時間労働見直しを直接要請した形で、「働き方改革」を進める厚労省の強い姿勢が示されたんですね。
日本は長時間労働による、過労自殺(カローシ)やうつ病増加の問題、労働生産性の低さが指摘されています。
それにしても近年は、労働時間への風当たりが随分変わったなという印象はありますね。