【労働】染料顔料の原料製造でぼうこう癌多発

【労働】染料顔料の原料製造でぼうこう癌多発

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※2015/12/19 産経ニュース
染料や顔料の原料を製造する工場で従業員や元従業員計5人が相次いでぼうこうがんを発症した問題で、5人がいずれも中堅化学メーカーの福井県内の工場で勤務していたことが19日、関係者への取材で分かった。4、5年前には取り扱っていた化学物質について会社から「発がん性がある」とする文書が従業員に配られていた。少なくともその時点で会社側は危険性を把握していたとみられる。

 発覚のきっかけは今年9月、同工場で約20年間勤務する50代の男性従業員が、労働組合「化学一般関西地方本部」(大阪市)に「同僚にぼうこうがんが多発している」と相談したことだった。男性も11月にぼうこうがんを発症したという。

 化学一般関西地方本部によると、工場では染料などの原料となる「芳香族アミン」に分類される「オルト-トルイジン」など複数の化学物質を粉状の製品に加工していた。防毒マスクを着用したり、集塵(しゅうじん)機を設置したりといった措置はとっていたが、工場内には粉塵が舞い、床は粉で白くなっていたという。4、5年前には会社から「芳香族アミンは発がん性がある」とする文書が従業員に配布されたという。

 化学一般の担当者は「芳香族アミンに発がん性があることは海外では広く知られている。芳香族アミンは種類が多く、問題はオルト-トルイジンだけではない」と懸念を示した。
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<例の事件と同じ「臭い」が・・・>
今回の報道で真っ先に思い出されるのが、以前大きな社会問題に発展した 校正印刷会社の元従業員が胆管がんで死亡した事例です。
このときの原因物質は、印刷機に付いたインキを頻繁に洗うための洗浄剤です。
洗浄剤は動物実験で肝臓にがんを発生させることが分かっており、化学物質「1、2ジクロロプロパン」「ジクロロメタン」などを含む有機溶剤を指します。

 

 

<作業着やマスクだけでは防げないことも>
防護服メーカーのデュポンによりますと、カッパを着ているのに、雨が中に染み込んでくるのと同じ現象で、防護服を着ていても、縫い目やファスナーといった作業服素材の小さな隙間から液体の化学物質が非分子レベルで通過してしまうとのことです。
衣服の内側に染み出した化学物質が皮膚に触れることで、火傷や呼吸器障害など、さまざまな健康被害を引き起こす危険があるとしています。

さらに、化学物質が分子レベルの状態で通過してしまう「透過」という現象もあるそうです。
目で確認することができないため、作業者が気づかないうちに化学物質にばく露してしまい、通過した化学物質は、皮膚に接触し、皮膚から体内の細胞へと吸収(経皮吸収)され、浸透同様、さまざまな健康被害を引き起こすことになります。

 

<他人事ではない>
私自身も、塗装工程など、有機溶剤を使用する工場で勤務していた時期もあり、こういった報道には、他人事ではないと感じています。

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