過酷な労働を強いる「ブラック企業」が社会問題化する中、賃金や就業時間などがハローワークの求人票の記載と異なるとして、労使でトラブルになる例が相次いでいる。厚生労働省によると、求人票に関し昨年度は全国で7千件以上の苦情・相談が寄せられた。連合(東京・千代田)などは「入社前に労働条件を書面で確認することが大切」と呼び掛けている。
「ハローワークでは賃金18万円となっていたが、2カ月の試用期間後に正社員になったら17万円だった。通勤手当も『あり』となっていたのに全く付かない」(東海地方の40代女性)
「求人票には週休2日と記載されていたが、日曜しか休めない。『あり』となっていた雇用保険、社会保険も加入していない」(中国地方の20代男性)
連合が昨年12月10~11日に行った若者向けの無料電話相談では、求人票に関するトラブルの訴えが相次いだ。連合非正規労働センターの村上陽子総合局長は「求人票に書かれた労働条件が守られていない実態が浮き彫りになった」と指摘する。
厚労省によると、各地の労働局などにも2012年度、求人票に関し7783件の苦情・相談があった。内訳は「『基本給』として記載された額より実際は少なかった」など賃金についてが約2割、「求人票にはなかった業務をやらされている」といった仕事内容に関するものが約2割、「始業の30分前に出社させられている」など就業時間に関するものが約2割という。
ハローワークで求人する企業は、厚労省が定めた申込書に賃金や就業時間、休日数などを記入する仕組み。同省の担当者は「求職者に誤解が生じないよう記載の仕方を指導している」と話す。ただ、記載内容が実態と違っても法的な罰則はなく、企業のモラルに任されている面が強い。
連合の村上局長は「『基本給』の定義が曖昧で試用期間を明示する仕組みがないなど、求人票そのものについて改善の余地があるのではないか」と指摘。求職者には「働き始める前に労働条件を書いた書面をもらってほしい」と呼び掛けている。
※2014/1/14 日本経済新聞
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<あくまで求人募集は「申込みの誘引」>
ちょっと細かい法律的な話になりますが、相手方となる誰かが申込みをしてくることを誘い込む行為を「申込みの誘引」といいます。 求人募集はまさにこの段階です。 例えば、お店で「大特価 ○○円!」と書いてあるのと同じ状態です。 まだ契約を結んでいるわけはないので、すぐさまハローワークの記載内容について罰則を設けるのは難しいのはそのためです(モラル的な部分は残りますが)。
<求人もいろいろ、求職もいろいろ>
いわゆる「ブラック企業」と呼ばれる会社は、たしかに存在します。ただこれも人によりけりで、95人の人がブラックと思っても、5人の人はそこまでブラックとは思わないという場合もあります。
私も世間でブラックと呼ばれがちな会社に勤務したことがありましたが、「不景気の中採用してもらい、スキルも身に付きちょっと感謝」という思いも一方でありました(キツかったけど)。
逆に求職者(労働者側)が、「ブラック社員」に変身して、困ったことになっているケースもあります。
結局、事業主も労働者も、いろんな方がいます。
<とはいうものの、入社早々契約を守らないのは・・・>
ちょっと事業主寄りの発言だったかもしれません。だから、日本の事業主側にもコメントを述べさせていただくとすれば、それは、「もうちょっと(雇用)契約を守りましょうよ」と。
「そんなのムリじゃないの」と思いました?
でも、雇用契約を守りやすくするためのテクニックは、弁護士や社会保険労務士といった専門家なら教えていただけるかと思います。
とにかく日本の風土なんでしょうけれど、海外と比べれば、「雇用契約を結ぶ」ということの重要性を軽く考えている気がします。
入社早々、上記記事のようなことが頻繁に起こるようでは、何のために雇用契約書を結んだのか分かりません。①ネット社会の今日、風評被害が広がらないためにも、②家内的な事業から脱皮して、会社を大きくしていこうとお考えの方にも、コンプライアンス(法令順守)は大事な要素だと思います。
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