タクシー事業適正化と小泉改革の光と影

タクシー事業適正化と小泉改革の光と影

taxi タクシーの過当競争是正に向け、自民党がまとめたタクシー事業適正化・活性化特別措置法改正案の全容が16日、判明した。1台当たりの売り上げが落ち込む都市部の事業者に対し、台数減らしを事実上義務付けたのが特徴だ。公明、民主両党と実務者レベルでは合意している。秋の臨時国会に議員立法で提出し成立を目指す。

 既存業者を保護する意味合いが強く、規制強化により新規参入を阻害すると指摘されかねない。利用者の利便性向上につながるか不透明だ。

 タクシー業界は02年に「小泉構造改革」の一環で新規参入や増車が原則自由化され、競争激化や運転手の労働条件悪化を招いた。2013/08/16 18:52   共同通信

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<年金記録を見ると当時の状況が見えてくる>

職業柄、年金の仕事をしていると、た~くさん勉強になることがあります。 その中の1つ、タクシーの運転手の給料が右肩下がりであったのもちょっとした衝撃でした(‘Д’)。  長年勤務していれば、給料は右肩上がりや現状維持というのが通常なのに、タクシー運転手の「標準報酬月額」は右肩下がり。。。 「昔は・・・・だった」なんて声をよく聞きますが、このように年金記録を見ると、いろいろ当時の状況について事実が浮かび上がってきます( ̄д ̄)。

<市場を自由にしておくことの大切さ>

ところで、一時期「競争すればするほど豊かになる」といった感じで、いろいろな分野の規制が緩和されました。原則として市場というのは、計画経済や規制を設けることなくできるだけ自由にまかせるべきです。人類の進化というのは競争や生命の危機があって発展してきた側面があるのですから。。。もっと別な言い方をすれば、「一発逆転してやろう」という気持ちを起こさせることはとても大事で、市場を自由にしておくというのは大切なことです。 今ですと労働市場の解雇規制を、自由とまでいかなくてもセーフティーネットとセットで緩和しようとする動きはそういうことだと思います。

<市場を自由にして結果が伴わないとき>

ただ「市場の失敗」という言葉があるように、市場原理も万能ではないです。学者さんやコメンテーターも神様ではないですから、予測が外れることがあります(失敗の責任は取りませんが)。 「司法試験合格者3,000人」や「タクシー業界の規制緩和」ついては、ここ10年ほどの壮大な実験の結果、想定していた市場原理による効果が表れなかったといえるのではないでしょうか。 「理論は正しいが結果が伴っていない」のではなく、「結果が正しく理論にどこか誤りがあった」のです。 タクシーやトラック、バスなどの運送業に関しては、サービス向上っていっても、コンビニじゃないんだから伸びしろは小さい。。。で結局、賃金や労働条件を低下して、安さを提供することくらいに走り、むしろ安全面で問題が大きくなったように思います。今回結果をみてちょこっと見直してみようという動きはよいことだと思います。

 

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