労働者派遣制度の見直しを検討している厚生労働省の研究会は6日、報告書案をまとめた。その中で、派遣期間に制限のない通訳や秘書など26の専門業務について、他の業務と同じく制限を設けることなどが適当と指摘した。今後、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で見直しを議論するが、仕事があるときだけ雇用契約を結ぶ登録型派遣など有期雇用の場合、26業務を含めた全業務について労働者の派遣期間を最長3年とする方向だ。
現行の派遣制度は、26業務を除いて派遣期間に上限を設けている。ただ、専門業務との境界があいまいな業務もあり、労働者派遣法による処分を避けるため、派遣会社などから制度の見直しを求める声が上がっていた。時事通信 8月6日(火)22時47分配信
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例えば。。。あなたは中小企業の社長もしくは、大企業の人事部長だとします。 で、これから人を雇おうと思っています。。。
仮にあなたが、雇用形態を正社員でも契約社員でもなく「派遣社員」を選択したとしたらその理由は何でしょうか? 大きく分けると次の2つになるのではないでしょうか?
1つ目は、人を抱えている会社だから、すぐに良さそうな人材が見つかるんじゃないかという理由で派遣会社に問い合わせ、派遣社員を選択するというケースです。ハローワークで求人を出すだけより、早くいい人が見つかるような気がしますもんね。
2つ目は、、、コストやリスクを抑えるために派遣社員を雇うという理由です。 直雇用と違い自分の「モノ」ではないので、従業員の将来的な福利厚生を考えることなく、不必要になれば堂々と切れる、という気楽さにあるところではないかと思います。
日本の裁判所は、どちらかというと経済的合理性よりも「目の前にいる可哀想な従業員を助ける」ため、これまで解雇に関して厳しい制限を設けてきました(実態はともかく判例上は)。 でも、、、「経済は生き物」なので、経営側としては、「そんなガチガチの解雇規制ではかなわん!」ということなんでしょうか、「限定社員」だとか「金銭解雇」だとか今回の派遣のような話が出てくるわけです。
結局のところ、①緩い解雇規制にするのも ②正社員を特権化し、残りは「期間雇用」「限定社員」「派遣」など身分制度を作って解雇を緩くするのも、企業としては、調整弁的従業員が必要ですという表れだと思います。 経営するとはそういうことで、『パレートの法則』ではないけれど、普遍的であんまり変わらないのではないのかという気がしてきます(昔は正社員ばかりだったといっても、簡単にクビにしていたのだから同じ)。
労働者側としては、いったん会社に潜り込んだら、解雇には高い壁がある方がいいんですけどね。。。