このブログ・動画では、暮らしや経営に役立つ「社会保障制度」について、お伝えしております。
今回は、「世界年金指数ランキング2019」について、お伝えしてまいりたいと思います。
テレビやブログなどで、「年金なんか あてにするな!」という話や記事を目にされた方も多いと思います。
年金は信用ならないから、あてにせず貯蓄や資産運用をしていきましょう、というのもよく聞かれる話です。
確かに、年金を勉強すればするほど、「世代間格差がヒドイ!」「こっそり目減りしてズルイ!」「生活保護とのバランスが悪い!」「年金制度が難しすぎ!」など、マイナスな側面を知ることとなります。
年金をあてにしないと決心することにより、資産運用へのモチベーションも上がるかもしれません。
とはいえ年金は、老齢だけでなく障害年金や遺族年金も兼ね備えた、将来へのとってもありがたい保険なので、免除などを利用しながらでいいですから、極力「未納」は避けてくださいね。
ところで、年金に対する不安は、日本だけではないようです。
2019年10月、アメリカのコンサルティング会社「マーサー」が、 「グローバル年金指数ランキング2019」を発表しました。
これは、マーサー社の独自ランキングで、各国の制度の総合指数は、「十分性 (Adequacy)」、「持続性 (Sustainability)」、「健全性 (Integrity)」に大別される40以上の項目から構成され、この3つの項目指数を加重平均して算出されております。
十分性 | 年金給付をはじめとした老後所得の手厚さを示す指標。給付水準(所得代替率)のほか、家計貯蓄率、私的年金(企業年金・個人年金)への税制優遇措置、持ち家率などが評価されます。日本は、「私的年金への税制優遇措置」などの項目で高評価を得ているものの、「所得代替率の低さ」「家計貯蓄率の低さ」そして「私的年金の給付が一時金主体であること」が評価を落とす要因となっています。 |
持続性 | 年金給付が継続的にもらえるかどうかを示す指標。私的年金の適用対象範囲、年金資産の対GDP比率、支給開始年齢と平均余命との差、労働力人口比率、政府債務比率、経済成長率などが評価されます。 |
健全性 | 民間の私的年金が健全に運営されるための規制、ガバナンス、情報開示等について評価する項目であり、公的年金は対象とされていません。日本は、健全性の評価は60.8と3つの指標の中では最も高い評価ですが、「資産運用に係る各種方針の整備状況」や「加入者への情報開示」についての評価は、他国と比べ見劣りします。 |
総合ランキング(2019)では、日本は37ヶ国中31位で、先進国としては最下位です。
順位を特に押し下げているのは、「持続性」です。
つまり、「現状の年金制度がこのまま持続するのかは不透明だ」、という風に判断されております。
現状でも相当難解な年金制度ですが、制度維持のため、数々の法改正が行われることでしょう。
年金不信を少しでも解消するためには、政治家の方々には、支給開始年齢の引上げも含めて、早くビジョンを提示してほしいと思っております。
[word_balloon id=”1″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” font_color=”#000000″ font_size=”18″]日本の年金制度が無くなることはないでしょうが、①支給開始年齢引上げや②支給水準の減少は覚悟しないといけません。 公的年金以外の収入手段を考えておきましょう![/word_balloon]
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