<大学で広がる「5年雇い止め」 法改正で非常勤講師を直撃 産経新聞9月22日(日)13時36分配信>
通算5年を超えて勤務した非正規労働者は、本人が希望すれば期間を区切らない無期契約に転換できるとした改正労働契約法。4月の施行後、大学で非常勤講師を原則5年で契約を打ち切って「雇い止め」にする動きが広がっている。本来は雇い止めを心配せずに働けるようにするための法改正だったが、現実にはその趣旨に逆行した皮肉な流れになりつつある。「法改正が労使の間に無用な対立を生み出してしまった」との指摘すら出ている。
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<ドンドン問題になるぞ「5年雇止め」>
世間一般的に、理性的で頭の良いといわれる大学がとった行動が、この有様です。一般企業ならもっとエグイことが行われる可能性があります。非正規労働者の待遇を良くしようと作ったつもりなんでしょうが、これから先、もっともっと「5年雇止め」が頻発し非正規の雇用環境は悪化していくでしょう。 この改正労働契約法って、非常勤職員を繰り返したことのない、現場を知らない安全地帯で勤務している人たちが考えそうなことだなあと思ってます。なぜなら底辺で勤務していると、上が抜けない限りは、法律なんかで正規雇用になれるなんて馬鹿げた話だと薄々感じ取っているからです。
<正社員を雇わない問題の本質は「解雇規制が厳しいこと」>
何で、正社員にすることを極度に避けたがるのか、をもう一度よ~く考える必要があると思います。 今まで非常勤講師として勤務し、この改正法がなければ、非常勤であっても、さらに10年以上勤務できる人もいるんじゃないかと思います。長年勤務してもらって構わないと思っていても、この法律が出来たためにクビになってしまう。。。解雇規制が厳しい状態のままでは、雇う側はどうしても正社員採用に慎重にならざる負えないということがどうしてわからないのでしょうか?
(※「整理解雇の4要件」や「解雇権濫用法理(労契法16条)」は、経営者側に与える心理的な影響を考慮することなく、目の前の可哀想な労働者を救済するために裁判例を積み重ね、それを体系化、条文化し、最終的に解雇権を無くしていったようなもんです)
<「金銭解雇」のルールをつくるべき>
やっぱり、いざとなったら「お金」で解決できるという道を作るべきだと思います。世の中うまくいかない場面・事件に遭遇したとき、最後はお金で解決するというのが、人類の知恵ではないでしょうか。 たとえクビにする気持ちがなくても、そういうルールがあることで経営側は随分、いや、めちゃくちゃ心理的に楽になるはずです。 そもそもそういう時のために、雇用保険や解雇予告手当があるので、たとえば離職時の失業手当を手厚くしてみたり、解雇予告手当の日数を増やしてみたりしてもいいと思います。「○日以上支払う」と数値化することで、「早く」「クリアに」「わだかまりを抑え」解決することができるでしょう。
そのように解雇に対する心理的不安を和らげることで、ようやく正社員として雇ってみようかな?(#^^#) という気になってくると思います。今のままでは、単に「5年でクビにされるルール」が作られるだけでしょう。