安倍総理大臣は政府の産業競争力会議の会合で、成果によって報酬が決まる新たな「労働時間制度」について、長時間労働を抑制する取り組みと合わせて、創設に向けて検討を急ぐよう関係閣僚に指示しました。
総理大臣官邸で開かれた政府の産業競争力会議の会合で、有識者議員は、創設を求めている成果によって報酬が決まる新たな「労働時間制度」について、対象となる労働者の「イメージ」を示しました。それによりますと、「職務の内容と目標が明確で目標の達成に向けて業務の遂行方法や労働時間などについての裁量度が高い人材」として、企業の中で一定の責任ある業務を担う社員などとしています。そして具体的な業種や業務について、経営企画や新商品の開発、海外プロジェクトなどを担うリーダー、それにITや金融関連のコンサルタント、資産運用を行うファンドマネージャー、経済アナリストなどを挙げています。
一方、田村厚生労働大臣は年収が数千万円に上る為替ディーラーや経済アナリストなど、ヘッドハンティングを受けて世界の企業で活躍するような人であれば、経営側から長時間労働を強いられることは考えにくいとして、高度な専門職に限って創設を容認する考えを示しました。
これを受けて、安倍総理大臣は「働き手の数に制約があるなかで、生産性の高い働き方ができるかどうかに成長戦略の成否がかかっている。成果で評価される自由な働き方にふさわしい『労働時間制度』の新たな選択肢を示す必要がある」と述べ、長時間労働を抑制する取り組みと合わせて、新たな「労働時間制度」の創設に向けて検討を急ぐよう関係閣僚に指示しました。
2014/5/28 NHKニュース
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