政府は9月27日、「働き方改革」の具体策をまとめる「実現会議」(議長・安倍晋三首相)の初会合を首相官邸で開いた。首相は、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の実現のほか、がん患者らの働きやすい環境整備など計9項目について議論を進める方針を表明。その上で「スピード感を持って法案を提出する」と述べ、包括的な実行計画を年度内に策定し、来年の通常国会にも関連法案を提出する意向を示した。
首相は「働き方改革は構造改革の柱だ。先送りは許されない」と強調。「労働生産性を改善するための最良の手段だ。労働参加率を上昇させ、賃金を上昇させなくてはならない」とも指摘し、高齢者の就業促進や外国人材の受け入れ拡大なども検討していく考えを明らかにした。
実現会議は首相と関係閣僚、民間議員で構成。計15人の民間議員には、経団連の榊原定征会長や連合の神津里季生会長ら労使の代表と、労働法制に詳しい有識者らが入った。
長時間労働の是正では、現在は事実上無制限に時間外労働を課すことができる「36協定」を見直し、残業時間に実効性のある上限を設けることを検討する。同一労働同一賃金に関しては、賃金差が認められる場合の事例を具体的に示すガイドラインを年内をめどに策定し、その根拠となる法整備も進める。いずれも、労使双方の納得が得られるかが焦点になる。
2016/9/27 時事通信
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