東京五輪招致と日本のプレゼン力

東京五輪招致と日本のプレゼン力

fukushimagenpatu
【毎日新聞 9月5日(木)0時6分配信 】2020年夏季五輪開催地を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会を7日に控え、東京招致委員会が4日、当地のホテルで国内外メディア向けに記者会見した。海外メディアの質疑応答では、東京電力福島第1原発の汚染水漏れ問題の懸念が相次ぎ、質問6問中4問がこの問題に集中した。
竹田恒和理事長(日本オリンピック委員会会長)は、日本政府としての対処方針を示した書簡をIOC委員に送ったことを明かし、「東京は非常に安全な都市。水、食物、空気は政府が責任を持って解決すると発表し、プロジェクトも発足して懸念はない」と説明。「東京にとって放射能漏れが唯一の懸念材料になっているが」との質問には、「放射線量レベルはロンドン、ニューヨーク、パリなど世界の大都市と同レベルで絶対安全」と理解を求めた。

 竹田理事長は用意した書面を読み上げて対応していたが、厳しい質問が続いて答えに窮し、日本語に切り替えた。そして「IOC委員からも放射能漏れの質問が予想されるが、どう対処するのか」との質問に、竹田理事長は「総理からも最終プレゼンテーションで説明する。福島は東京から250キロ離れており、皆さんが想像する危険性は東京にない」と時折、声を上ずらせながら答えた。

 会見にはトヨタ自動車名誉会長の張富士夫評議委員(日本体育協会会長)が同席したが東京の経済力に絡んだ質問は少なかった。

 7日の投票に先立つ最終プレゼンテーション(招致演説)でもIOC委員の質疑応答の時間が用意されており、汚染水問題への質疑が相次ぐと見られる。

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個人的には、「何が何でも東京に五輪を!」というほど熱心ではないです。。。ただし、1点だけ気にかけていることがあります。それは、「日本のプレゼン力」。

日本は海外勢に比べ、外交交渉などでもプレゼン力が弱いといわれ、そしてギリギリまで押され(我慢し)て最後はキレる、という印象を持たれているように感じます。

五輪招致に向けて、日本の英知を集めてプレゼンしているんでしょうが。。。何なんでしょうか「世界の都市と同レベルで安心」「福島は東京から250キロ離れており、皆さんが想像する危険性は東京にない」って。。。「たとえ事実だとしても、こんなプレゼンではあかんわ」と思いました。(たしか前回の東京五輪を逃したときも、一方的にすごいことを主張するだけの論点がぼやけた頓珍漢なプレゼンだったような記憶があります)。「おたくらの都市と放射能レベル一緒だよ。福島なんて東京のずっと外れだよ」って・・・。

相手側はそんな数字を並べただけのつまらんプレゼンを聞きたいんじゃないと思うんです。そもそも海外からしたら福島~東京なんて、目と鼻の先という認識をしているだろうと想像して、それ込みでストーリーを組立てていないところにプレゼンセンスがない\(-o-)/(上記図参照)

「我々は、科学的見地からも、東京に住み続けていて十分安心という認識を持っています。しかしながら、福島と東京の距離は、チェルノブイリと○○の距離とだいたい同じであります。海外の目から見れば、十分近い距離だと思われるでしょう。我々は皆様が持たれている不安感については、十分認識しております。そのため、その不安を払拭するべく、3つの対策を打ち出しております。1つは・・・」 みたいな感じで、相手側の聞きたい、核心部分をくすぐりながら、主張を展開するようにできなかったんでしょうか?(もし既にやっていたらスイマセン・・・・・<(_ _)>) 

何とか招致できればいいですが・・・・・。今回の五輪招致に限らず、(自分も含めて)日本人のプレゼン力がアップできたらなあと思っています。

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gorin  (追記)上記のとおりプレゼン力を心配していましたが、・・・・・

祝!東京オリンピック2020

スペイン、トルコのプレゼンも、つい投票してしまいたくなるくらいのいいプレゼンでした。

【スペイン】

皇太子が登場し演説。3度の招致活動を経て、すでに8割の施設は整っている。経済的な不安面も、このオリンピックを期に雇用も生まれ、プラスに生かせる・・・・・

【トルコ】

アジアと西洋の架け橋。人種・宗教が混在する都市だからこそできる。若い世代がたくさんいる国で、若者に未来を・・・・・

<(自分の勝手な)勝因分析>

omotenashi上記のとおり、スペイン、トルコも見た感じ決して悪くなかったです。でも結構大差をつけて勝利。。。(事実とは違うかもしれませんが)自分なりに勝手に勝因分析してみました。

①スペイン・トルコのプレゼン力は日本より強かった。しかし、 特に高円宮妃殿下の英仏スピーチ、滝川クリステルの仏スピーチ「お・も・て・な・し♪」、安倍首相の「汚染水は0.3平方キロメートル内に完全にブロック」の最終プレゼンで追い付いた。

②「ソチ」「リオデジャネイロ」「平昌」の開催を通して、やっぱりベタだけど「資金面」「治安」「実行力」の重要性について委員は再認識して安全な選択をした。

・・・もし逃したら、20年は来ないと言われていた日本でのオリンピック。 海外では「どんなテクノロジーを見せてくれるんだろう、今からワクワクする」「ガンダムが登場する!」(^^)といった、他国ではできない近未来的な開催を期待するコメントが多くみられました。何はともあれ、おめでとうございます!

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