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新入社員が知っておきたい労働社会保険

今日は、2020年4月1日(水)です。

 

 

今年は新型コロナの影響(3密を避ける)で、そもそも入社式を取りやめたり、簡易形式やビデオ配信で行ったりしているところも多いようです。

 

入社式なんて、いかにも日本っぽい採用儀式ではありますが、私にもそんな甘酸っぱい思い出があったらなあ・・・

 

なんて、この歳になってニュース報道があったりすると思ってしまいます。

 

 

さてこれから、仕事を覚えたり職場の人間関係を構築していくわけなんですが、

 

職場でも、そしてこれまで過ごした学校でも、教えてくれなかったけど、とっても大事なものに、労働社会保険制度の知識があります。

 

何も労働基準法の細かいことを覚えて、「労働者の権利はこうなんだ!」なんて言うつもりはありません。

 

本当に基礎の基礎、でも新入社員が知っておきたいことを、今回は3つ、お伝えして参りたいと思います。

 

 

 

 

①労働条件通知書を受けてますか?

貴方の働く条件はどうなっているか、文書やPDFなどのメールで通知されておりますでしょうか?

 

 

会社が「労働条件通知書」を交付することは法律上の義務です(労働基準法15条)。

 

というか、本人も知りたいでしょうし、実は会社側にとっても、防衛したり、助成金を得るための最低条件でもありますから。。。

 

これから、夢や希望を持って働く上で、のちのちのトラブル防止のため、労働条件通知書をしっかり受け取ってくださいね。

 

 

 

②社会保険に加入されることを知る

これから職業生活を送るに当たり、様々なリスク(病気・失業・・・)があります。

 

これを民間の保険で全部カバーしていたら大変です。

 

そこで国は、「雇用保険」「健康保険」「厚生年金保険」などに加入させ、保険料を給料から控除します。

 

所得が低いうちは、税金よりも社会保険料の方が、負担感が大きいです(会社が半分負担)。

 

若いうちは、病気もしないし、失業してもすぐ再就職先は見つかるし、老後のことなんてまだまだ先だから、ピンときませんが、

 

自営業者やフリーランス、パートなどと違って、会社員が加入する保険は、それはそれは、有りがたいです!

 

★個人的には、年金(老齢・障害・遺族)は、会社員の方は恵まれているなあと感じております。

 

 

 

 

③保管しておく

・会社から受け取った労働条件通知書や辞令を保管しておきましょう(思い出にもなります)。

・健康保険証を保管しておきましょう(病院行くときに必要です)。

・雇用保険被保険者証を保管しておきましょう(就職した会社によっては、会社が保管している場合もあります)。

・年金手帳を保管しておきましょう(就職した会社によっては、会社が保管している場合もあります)。

 

いずれ、雇用保険被保険者証や年金手帳、健康保険証は、マイナンバーカード1つに代わっていくかもしれませんが、

現状は、それぞれ用紙や手帳、カードで発行されますので、大切に保管しておきましょう。

 

 

 

 

 

余談ではありますが・・・・・

自分が経営者ならいいんですが、従業員として働く場合は、「人間関係」がとても重要です!

 

しかも入社した4月の第一印象が、とても重要で、その後にも大きく影響してきます。

 

人は会えば会うほど、親しくなっていきますので、できるだけ自分から会話をしてみてくださいね。

 

 

 

さて私は昔、卓球部(県退会出場)だったんですが、昔から、サッカーや野球などチームワークプレイのほうは苦手でした。

 

数多くのバイトなど仕事をしてきましたが、常にチームワークで動くような仕事よりは、新聞配達や夜間清掃、そして現職の社労士で○○相談などしている方が、どちらかと言えば向いていましたね。

 

就職したけれど、俺(私)には向いていない仕事かも?と思った場合でも、新入社員で就職という「切符」は、すごく有りがたいものです。

 

社員食堂でご飯食べる(サラメシ)なんて、私は憧れです(^_^;)

 

よほどのことが無い限り、入社してすぐ辞めるなんて、もったいないですよ~!!

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新型コロナウイルス助成金受給のポイント

新型コロナウイルスが世界中で猛威を振っております。
(2020/3/24現在)

 

そして、感染症対策と同時に、各国とも経済対策を行っております。

 

では我が日本では、どのような経済対策(支援)が行なわれているのでしょうか?

 

今後追加の、新型コロナ対策支援も行われるかと思いますが、現時点における「新型コロナ助成金」について、お伝えして参りたいと思います。

 

 

 

新型コロナ経済支援の概要

まずは、いきなりですが、経済支援の全体像をご覧ください。

 

※愛知県版ですが、「①資金繰り」の②③以外は、全国共通です。

※「④職場改善」の②~④は、もともとあった助成金ですが、人手不足に悩む中小企業事業主の方には、この機会にオススメしたいところです。

 

様々な経済支援が行われておりますが、今回はこの中の ③雇用維持の 『雇用調整助成金』と『小学校休業等対応助成金』 の2つに絞って、解説して参りたいと思います。

 

 

 

 

 

雇用調整助成金を受給するには?

 

 

 

 

なお、すでに受付が始まっており、期限も決まっておりますので、該当される方はぜひ受給申請してみてくださいね。

 

ポイントをまとめますと、次の通りです。

★新型コロナ版「雇用調整助成金受給」の7つのポイント

①【事業主の要件
業種を問わず、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、売上等が減少した事業主です。
②【生産量の要件
売上等の減少とは、最近1ヶ月の売上や販売量などが、10%以上減少のことを指します(北海道は撤廃)。
③【雇用量の要件(撤廃)
従来の雇用調整助成金は、雇用保険被保険者が前年と比較し増えていた場合は支給対象外でした。今回は、前年より従業員が増加していても受給ができます。
④【労働者の要件
・雇用保険被保険者が対象です。
・「丸1日休業した労働者」 や 「全従業員に一斉に1時間以上休業した時」に、労基法で決められている休業手当を支払った場合です。
・休業手当は60%以上支払義務がありますので、その経費として、雇用調整助成金を活用することが出来るというものです。
・今回は、雇用保険被保険者期間は、6ヶ月未満であってもOKとなりました。
⑤【事業継続期間の要件(撤廃)
・従来、助成金受給には前年度と比較するため、事業所設置から1年以上必要でしたが、撤廃されました。
・事業所設置1年未満の場合は、2019年12月売上と比較します。
⑥【申請期間
・従来は、助成金受給には事前に計画届が必要でしたが今回は、2020年5月31日(実質は29日(金))までに届出をすれば、遡って休業の前に計画届の提出があったと扱ってくれます。
・また事後提出締切は5月31日までですが、7月23日までの休業初日(事前の計画届必要)であれば、生産量要件が緩和された雇用調整助成金の対象となります。
⑦【受給額
休業手当の2/3(大企業は1/2)を助成してくれます。
※上限は8,330円です。
※緊急事態宣言の北海道は、4/5(2/3)です。

 

 

 

 

 

 

小学校休業等対応助成金を受給するには?

先ほどの雇用調整助成金は、会社の経済的な都合によって休業させる場合に、休業手当を支給するその経費を補填するものでした。

 

こちらの「小学校休業等対応助成金」は、特段、会社都合が無い場合であっても、小学校等に通う児童(特別支援学校は全ての部)の面倒を見るため、保護者が自発的に休暇を取った場合に、会社が支払った有給の補填をするものです。

 

ちなみに、業務委託を受けて業務遂行で報酬を受け取っているフリーランス(たとえば民間音楽教室のピアノの先生、ホームページ作成デザイナーなど)は、雇用保険制度の保護対象者でないので、本来は何も保険でカバーはされないのですが、4,100円支給することとなりました。

 

これら、保護者休業時の給付金受付についても始まっており、期限も決まっておりますので、該当される場合はぜひ受給申請してみてくださいね

 

 

ポイントをまとめますと、次の通りです。

★「小学校休業等対応助成金受給」の5つのポイント

①【小学校等の要件
・小学校、幼稚園、保育園、認定こども保育園、認可外保育施設、放課後児童クラブ、放課後等デイサービス、フリースクール
・特別支援学校はすべての部、障害のある子は、中学・高校・各種学校も含む
②【保護者の要件
・雇用保険に加入している正規はもちろん、雇用保険未加入のパート・アルバイトでも対象です。
・保護者とは、親でなくても一時的に補助する親族も助成金の対象です。
③【保護者がどんな休み方のとき支給対象か
・(対象)法律上の年次有給休暇で休んだときは、支給対象外です(=会社が本来負担する法定休暇であるため助成金は降りません)。
・(対象)臨時休校で子供が休み(=平日は支給されますが、学校が元々休みである、春休みや土日祝日は対象外です)。

・(対象)コロナに感染又は感染の恐れのある子供が休み(=上記と違い春休みなどにかかわらず2/27~3/31は対象となります)
・(対象)就業規則で定めた「有給の特別休暇」で休んだ場合を想定していますが、「有給の特別休暇を定めていない会社」であっても、独自の有給で休ませた場合は助成金対象です。
・(対象)1日でなくても、半日や時間単位で休んだ場合も支給対象です。
④【受給額
・有給の全額100%支給されます。
※上限は8,330円です(=なお上限が8,330円だからといって、有給を勝手に8,330円までとしてはいけません。年次有給休暇相当を支払う必要があります)
⑤【申請先
通常の労働局等ではなく、特別の申請先となります。

 

 

 

 

ドリナビ
ドリナビ
該当される従業員がいる会社は、ぜひ助成金にチャレンジしてみてくださいね♪

 

 

 

助成金受給の注意点(ドリナビ社労士事務所からの一言コメント)
①助成金は会社に振り込まれますが、振込には時間がかかるため、その間の運転資金は必要です。
②「賃金の支給」 「仕事を休んだ」 を判定するには、当然、賃金台帳や出勤簿、労働条件通知書などが整備されていることが重要です。
未整備や誤りが多いと、せっかく従業員を休業させたとしても、助成金支給は行われないです。
③これまで助成金を受給されたことのない会社は、これを機会に助成金受給ができる体制作りを、オススメいたします。

★当事務所では、「助成金対応事業運営チェックリスト」を活用して、今回の助成金をはじめ、さまざまな助成金受給ができる会社作りのお手伝いをしております。

 

 

労働局で待ちぼうけ食らう

現在世の中は、新型コロナウイルス騒動の真っただ中です(2020/03/23)。

 

ここ最近は、経済(暮らし)をどうするか?について、関心が高まっています。

 

観光業や飲食業、イベント業などは特にダメージが大きいです。

 

そんな、新型コロナによって売上が落ちた事業所に心強いのが、「雇用調整助成金」という給付金制度です。

 

すでに受付は始まっております。

 

手続を進めるにあたって、少し疑問点がありましたので、質問の為に助成金を扱っている労働局へ向かいました。

 

到着は午後3時40分頃。

 

雇用調整助成金は、担当者が忙しく他の助成金を優先させ、飛ばされるとのこと。 待つように言われました。

 

 

「大騒動の新型コロナウイルス関係の助成金だし、混んでもいるので、しっかり待とうか・・・。」

 

 

私も役所側で(行政協力等)、仕事をしていたこともあり、役所側の気持ちも分かるので、気持ち穏やかに待つことにしました。

 

さて、30分ほど経過した午後4時10分、待合場所から窓口に通され、しばらく椅子に座って待つよう言われました。

 

とはいえ、新型コロナウイルスの助成金で忙しいのは承知しておりますので、少々待つ分には、構いません。

 

となりのブースからも、「雇用調整助成金」の質問が聞こえてきます。

 

やっぱり忙しいんだなあ、月曜日だし。。。。。

 

持参した資料等に目を通しつつ、質問事項を再度チェックして待っていました。

 

 

 

・・・・・・・・・

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

午後4時55分・・・・・さすがに新型コロナといえども、これは待たされすぎでは???

 

 

 

 

 

「あのう、、、雇用調整助成金で待っているんですが・・・・」

 

 

職員に声掛けをしました。

 

とはいえ、世界的大流行の「新型コロナウイルス」の助成金です。

 

すぐ担当者が来なくても、それはしょうがないとは思っていましたが・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

ドンドン周りの相談者も居なくなり・・・・・

 

午後5時12分・・・・ようやく「雇用調整助成金」の担当者現る!

 

ちなみに午後5時15分で受付時間は終了です。

 

 

こりゃ、完全に忘れられていたな。。。

 

 

職員「呼んでくれればいいのに」と。。。

 

私「(オイオイと思いつつ、優しい口調で)途中でもお呼びしましたが、コロナで雇用調整助成金は忙しいので、待って待ってゆうから待ってたんですけど」

 

最後は、申し訳なかったとの一言もあり終了。

 

多少延長して質疑応答をしていただきましたが、やっぱり不完全燃焼。。。

 

まあ私は優しいので、怒鳴ったり、怒ったりすることもなく、最後は裏口(表はすでに施錠)から退出しましたよ(^^)。

「お金の」コロナウィルス対策

臨時サイトをつくりました!

 

本日は令和2年3月3日、コロナウィルスによる、様々な騒動が起こっております。

何年後かには、「令和早々、あんなこともあったなあ・・・

と記憶されることになるかと思いますが、今はその真っ只中です。

健康面の報道は多いですが、忘れてならないのは「経済面(=金銭面)」です。

 

 

「労働貴族」とよばれるご身分の方は、あまり切羽詰まった感じはないかもしれませんが、非正規雇用や、母子家庭、自営業者にとっては、当面の生活費をどうするかは切実な課題です。

日本は先進国とはいえ、諸外国を比較し、実はかなり「貧乏」になってきており、貯蓄率はどんどん低下しております。

 

当面の生活をどうするか、お悩みの方も多いと思い、急遽 資金援助や助成金の簡易まとめサイトを作ってみました。

社長ご存知ですか?従業員への周知義務

このブログ・動画では、暮らしや経営に役立つ「社会保障の仕組み」について、お伝えしております

今回は、”従業員への周知義務”についてです。

 

 

たった1人でも雇えば、様々な周知義務が発生

起業して、イザ従業員を雇おう、と思ったら、様々な届出や周知義務が発生します。

昔と違いまして、労働社会保険制度が複雑になりすぎて、従業員を雇用しているときに、何をすればいいか分からないと感じている、社長や人事担当者も多いのではないでしょうか?

(そんなときはぜひ、お近くの社会保険労務士さんにご相談されることをオススメいたします(^^)!)

 

さて、労働法制度の仕組みの中に、「周知義務」というのがございます。

単に、法律上の手続きや届出を終えているだけではダメで、きちんと従業員へ法令等の周知が必要なものがあるのです。

 

 

忘れがちな5つの周知義務

周知義務が必要なものには、いくつかございますが、このブログでは、特にトラブルや相談が多い5つに絞って解説していきたいと思います。

 

最低賃金
会社内で実際に支払われている賃金が、最低賃金を下回っていなくても、最低賃金の概要を周知する必要があります。

周知方法は、各都道府県の労働局が作成している最低賃金のチラシを、回覧や掲示・備え付けをすれば大丈夫です。

 

24協定

労働基準法第24条により、賃金は毎月全額支払う必要があり、法令で定めのある「税・社会保険料」以外は、勝手に控除してはいけません(つまり所得税や社会保険料は、控除してもよい)。

しかし、社宅費用や社内預金、積立金など控除したい場合は、労使協定を結べば、賃金から控除することができます(監督署への届出は不要)。

ちなみに労使協定の代表者が退職や転勤した場合でも、見本のような自動更新にしておくことで、協定は引続き有効です(新たに結び直してもOK)。

 

36協定(サブロクきょうてい)

労働基準法第36条の規定により、法定労働時間を超えて時間外労働したり、休日労働をさせることができます。有効に残業・休出させるためには、次の3つの要件が必要です。

①労使協定を結ぶ

②労働基準監督署へ届出をする

③周知する

案外、最後の”周知”を怠っている場合がありますので、気を付けましょう。

 

就業規則

パート・アルバイトも含め、常時使用する労働者が10人以上になりますと、就業規則の作成義務が発生します(ちなみに10人未満でも労務管理上、就業規則は作成したほうがいいです)。

①就業規則の作成

②労働基準監督署へ届出をする(従業員の意見書添付)

③周知する

36協定と同様、最後の”周知”を怠っている場合がありますので、注意しましょう。

金庫の中や社長の引出しにしまっておいてはいけませんよ!

 

安全衛生推進者・衛生推進者・衛生委員会の議事録概要

10人以上49人以下の事業所には、(安全)衛生推進者を選任して周知する必要があります(監督署へ報告・届出は不要。”安全”と付く事業所は下図を参照)。

周囲の人たちに周知させる方法としましては、文書による掲示の他にも、腕章をつけたり、特別の帽子を着用させるなどの方法があります。

 ちなみに50人以上になりますと、「衛生管理者」を選任かつ、監督署への届出もして、毎月1回、衛生委員会を開いて議事録を作成し、概要を従業員へ周知する必要があります。

この衛生委員会の議事録は、労働基準監督署の立入調査が入れば、必ずチェックされますが、あまり知られていないせいか、周知する以前にそもそも議事録が作成されていないケースが散見されます。

 

ドリナビ
ドリナビ
今回は、忘れがちな周知義務5つについて、解説しました。
皆さんの事業所では、いかがでしょうか?

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年金を増やす8つの方法

この動画・ブログでは、暮らしや経営に役立つ「社会保障制度」について、お伝えしております

今回は、「年金を増やす8つの方法」について、お話ししてまいりたいとおもいます。

年金増額は、若い方はもちろん、60歳以上でも可能ですので、参考となるものがありましたら、ぜひ実行に移してみましょう(令和元年度現在)。

 

 

60歳以降から年金額を増やす方法

①60歳以降も厚生年金に加入して働く

国民年金は20歳から60歳までの加入ですが、60歳以降70歳未満の間も、厚生年金に加入する働き方をすれば、年金額を増やすことができます。

働いて年金を増やすのが王道です(^^)

ところでよく聞かれる質問で、「国民年金は増えるんですか?」というのがありますが、国民年金加入は60歳までなので増えません。

しかし厚生年金保険料は、国民年金保険料分も含まれておりますので、厚生年金支給額のうち、経過的加算額(=差額加算)部分という名称で、「疑似国民年金」相当が厚生年金の中から給付されますので、ご安心ください。

 

②国民年金に任意加入(と付加保険料)

上記①で、厚生年金加入で働くと伝えましたが、厚生年金に加入できない場合は、どうしたら年金を増やすことができるでしょうか?

国民年金が満額(480月)まで加入していなければ、「国民年金の任意加入」ということで、65歳までは満額にする手段があります。

480月の満額になった場合、または480月に到達できなくても65歳になった場合は、そこまでの加入期間で打ち止めです。

この任意加入期間に、付加保険料400円を納付すると、さらに年金額を増額することができます。年金事務所で、任意加入手続の際、付加保険料についても質問してみましょう。

 

③65歳以降の年金額の繰下げ

65歳以降に厚生年金や国民年金(またはその両方)を繰下げますと、1ヶ月の繰下げにつき、0.7%ずつ年金額を増額することができます。

最長5年間(=70歳)まで繰下げることができ、その際は、42%増額することになります。

なお繰下請求による増額は、私は積極的にはオススメしておりません

と言いますのも、銀行の利息のように考えている方が多いのですが、繰下げによる増額はそうではありません。

一旦年金を捨てて、①まずは取り返す期間約12年必要 ②その後にようやく増額のメリットを享受 するものだからです。

さらに加給年金や振替加算などが付く方が繰下げしますと、その分も捨てることになりますがその捨てた分は戻ってきませんので、損益分岐点が約12年でなく、もっと先になります。

 

④年金記録を再確認する

すでに年金受給されているなら何歳でもOKです(80歳超でもOK)。

もし自分の年金記録を再確認して、年金記録が見つかると、年金額が増額されます。

現在でも2,000万件近くの年金記録が、宙に浮いたままで統合されていません。

少しでも疑問があれば、今一度年金記録を調べ直してもらいましょう。

 

 

 

60歳前から年金額を増やす方法

①免除期間を追納する

国民年金第1号被保険者であったときに、経済的な理由等で国民年金を免除してもらっていた方は、10年以内なら追納することによって、将来満額の年金額が受け取れます。

ただ、せっかく免除してもらったことで、半額ほど納付した状態になっておりますので、満額にせず放置するという考えはあります。

免除期間でなく、黙ったまま納めず「未納期間」となっている場合は、その期間の給付はゼロ0です。

未納期間は2年以内なら納付できますので、この方はぜひ納付して頂ければと思います。

 

②付加保険料を納める

国民年金保険料を納めている方は、1ヶ月400円追加して納付することで、多少、年金額を増やすことができます。増える額は、400円納付に対し年200円戻ってくるイメージで、2年で元が取り返せ3年目(=国民年金は65歳から支給なので68歳)から毎年得することとなります。

 

 

③国民年金基金に加入する

自営業者の方で国民年金保険料を納付している方は、「国民年金基金に加入」するという方法があります。

私も長年、年金相談に携わってきておりますが、何も対策をしていないと、自営業者さんの老後は結構大変です!

そこで国民年金基金(①終身型 または②確定型【5年・10年・15年】)に加入することで、老後の年金が手厚くなる上、節税対策にもなります。

下記に記載するiDeCoと違って、「終身型」があるのが魅力的ですので、自営業の方は、iDeCoと併用または国民年金基金単独で、できれば限度額一杯(81万6,000円)、掛けることをオススメいたします。

さらに、年金ではありませんが、「小規模企業共済」に加入して、自営業者の退職金を作る方法もオススメです。

 

 

④個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入する

近年は、”先輩”である国民年金基金より、「iDeCo(イデコ)」が注目されております。

国民年金基金は自営業者など第1号被保険者しか加入できませんが、iDeCoは専業主婦や公務員も含め、基本的に60歳未満のすべての人が加入できます。

 

 

ドリナビ
ドリナビ
まずは、しっかり稼ぎましょう(^^)!
その上で、余裕資金を上記に投資して、老後資金を厚くしていきましょうね

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日本の年金は何位? 世界年金指数ランキング2019


 
このブログ・動画では、暮らしや経営に役立つ「社会保障制度」について、お伝えしております

今回は、「世界年金指数ランキング2019」について、お伝えしてまいりたいと思います。

 

 

 

年金をあてにしない?

テレビやブログなどで、「年金なんか あてにするな!」という話や記事を目にされた方も多いと思います。

年金は信用ならないから、あてにせず貯蓄や資産運用をしていきましょう、というのもよく聞かれる話です。

確かに、年金を勉強すればするほど、「世代間格差がヒドイ!」「こっそり目減りしてズルイ!」「生活保護とのバランスが悪い!」「年金制度が難しすぎ!」など、マイナスな側面を知ることとなります。

年金をあてにしないと決心することにより、資産運用へのモチベーションも上がるかもしれません。

とはいえ年金は、老齢だけでなく障害年金や遺族年金も兼ね備えた、将来へのとってもありがたい保険なので、免除などを利用しながらでいいですから、極力「未納」は避けてくださいね。

ところで、年金に対する不安は、日本だけではないようです。

 

 

 

世界年金指数ランキング2019

2019年10月、アメリカのコンサルティング会社「マーサー」が、 「グローバル年金指数ランキング2019」を発表しました。

これは、マーサー社の独自ランキングで、各国の制度の総合指数は、「十分性 (Adequacy)」、「持続性 (Sustainability)」、「健全性 (Integrity)」に大別される40以上の項目から構成され、この3つの項目指数を加重平均して算出されております。

十分性 年金給付をはじめとした老後所得の手厚さを示す指標。給付水準(所得代替率)のほか、家計貯蓄率、私的年金(企業年金・個人年金)への税制優遇措置、持ち家率などが評価されます。日本は、「私的年金への税制優遇措置」などの項目で高評価を得ているものの、「所得代替率の低さ」「家計貯蓄率の低さ」そして「私的年金の給付が一時金主体であること」が評価を落とす要因となっています。
持続性 年金給付が継続的にもらえるかどうかを示す指標。私的年金の適用対象範囲、年金資産の対GDP比率、支給開始年齢と平均余命との差、労働力人口比率、政府債務比率、経済成長率などが評価されます。
健全性 民間の私的年金が健全に運営されるための規制、ガバナンス、情報開示等について評価する項目であり、公的年金は対象とされていません。日本は、健全性の評価は60.8と3つの指標の中では最も高い評価ですが、「資産運用に係る各種方針の整備状況」や「加入者への情報開示」についての評価は、他国と比べ見劣りします。

 

 

 

総合ランキング(2019)では、日本は37ヶ国中31位で、先進国としては最下位です。

順位を特に押し下げているのは、「持続性」です。

つまり、「現状の年金制度がこのまま持続するのかは不透明だ」、という風に判断されております。

現状でも相当難解な年金制度ですが、制度維持のため、数々の法改正が行われることでしょう

年金不信を少しでも解消するためには、政治家の方々には、支給開始年齢の引上げも含めて、早くビジョンを提示してほしいと思っております。

ドリナビ
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日本の年金制度が無くなることはないでしょうが、①支給開始年齢引上げや②支給水準の減少は覚悟しないといけません。 公的年金以外の収入手段を考えておきましょう!
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残業時間ダイエットをする方法

このブログ・動画では、暮らしや経営に役立つ「社会保障の仕組み」について、お伝えしております

今回は、「残業時間ダイエットをする方法」について、お伝えしたいと思います。

 

 

 

残業時間ダイエットとは

「残業時間ダイエット」とは、働き方改革の1つ、時間外労働の上限規制のことを指しております。

これまで日本は、「残業」に関しては、

①残業時間制限も

②残業代未払いも

実にあいまい(寛容?)な国でした

 

それが働き方改革によって、一部の業種を除き、大企業には2019から4月から、中小企業には2020年4月から「残業時間の上限規制」が行われることとなりました。

これまでと違って、残業時間の上限が法律上明記されたことによって、結果にコミット」する必要があり、ダイエットに失敗した場合は、「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科される恐れがあります。

すでに多くの方がご存じかとは思いますが、改めまして残業時間の上限規制の内容をお伝えしますと・・・

<残業上限規制イメージ図>

<中小企業の定義>

<残業規制の一部猶予>


これまでも残業上限規制は2段階で、行政指導レベルでは存在しました。

しかし今回の働き方改革で、同じく2段階ですが、法律上でしっかりと決められました。

原則:月45時間・年360時間まで

 

 例外:臨時的な特別の事情があって労使合意がある場合(=特別条項)は、原則を超えて働かせることができるが、その際は下記を守ること
①時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6ヶ月が限度年間720時間以内③時間外労働と休日労働の合計が、月100時間未満

④時間外労働と休日労働の合計が、「2・3・4・5・6ヶ月平均」が全て月80時間以内

 

 

 

 

 

サッサと「残業時間ダイエット」を行うべき理由

さて、残業時間の”総量規制”については分かったけど、現在の経営者の方は、

俺たちの若い頃は、もっと残業していた!

という意識で、なかなか「残業時間のダイエット」に乗り気でないかもしれません。

というわけで、私が「マインドリセット」へのお手伝いをしていきたいとおもいます(^^)。

 

そもそも100時間、80時間って、役人が考えた机上の数字だろ?

:いいえ、そうではありません。
科学的根拠(エビデンス)によるものです。
近年の医学研究等を踏まえ、平成13年12月12日付け基発第1063号「脳血管疾患 及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準により、脳・心臓疾患の労災認定基準を改正することとなりました。
脳・心臓疾患の発症に影響を及ぼす業務による明らかな過重負荷として、これまで発症前1週間以内を中心とする発症に近接した時期における負荷を重視してきたところを、長期間にわたる疲労の蓄積についても業務による明らかな過重負荷として考慮することとしました。
この新認定基準の考え方の基礎となった医学的検討結果によると、長期間にわたる長時間労働やそれによる睡眠不足に由来する疲労の蓄積が血圧の上昇などを生じさせ、その結果、血管病変等をその自然経過を超えて著しく増悪させるとの観点から、疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられる労働時間の評価の目安が次のとおり示されました。

すでに科学的根拠でこれ以上働いたら健康被害があるとしているわけですから、たとえ従業員側が「生活のため残業したい!」と言っていたことを理由として、良かれと思って働かせていたとしても、過労で脳血管や健康被害が出ることになれば、経営者側の責任となります。

 

 

Q:長時間労働させていたほうが、会社は儲かるだろ?

A:いいえ、むしろ事態は徐々に悪化しております。

まず、そもそも長時間労働は、「サービス残業」をさせること前提で考えてはいませんか? 

法改正により60時間超には、5割増の残業手当の支払義務が発生してきます。

 

長時間労働でようやく稼ぐというクセが治らないと、いつまでたっても「効率よく稼ぐ考えにつながらない」「毎日疲労しているので、新しいアイデアや事業展開に頭が回らない」ということにもなります。

そもそもどんなに長時間労働で生産性を上げても、東南アジア諸国の労働単価には負けてしまいますので、短い時間で稼ぐ手段を早く見つけないと、どんどんジリ貧になっていきます。

 

Q:長時間労働をさせないために、人を採用したいが、人が集まらない

A:これは負の連鎖を断ち切るしかありません。「人を採用してから労働時間を短くしよう」では、なかなか人は集まらないことでしょう。

ではどうしたら良いでしょうか?

例えば自社商品を買ってもらうとき、まずは魅力を発信しないと集客できません。

これと同様にまずは、自社の魅力を改めて見つめ直し、求人媒体に魅力をしっかり発信(アピール)していきましょう

そして、実際に集客(=求職者)出来た時に、逃げられないためにも同時並行で、職場環境の整備も進めていきましょう。

そのために活用できるのが助成金です!

助成金とは、単に「お金が支給される」というだけでなく、「どうやったら職場環境整備ができるのか?」の模範解答が示されてもいるのです。

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働き方改革を進めて、今後も「ご飯が食べていける」会社作りをしていきましょう!

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賞与明細書の見方


 
このブログ・動画では、暮らしや経営に役立つ「社会保障の仕組み」についてお伝えしております

今回は、「賞与明細書の見方」について、お伝えしてまいりたいと思います。

※ボーナスが494,500円と仮定して、お話ししていきます

 

 

 

賞与から控除されるもの

夏・冬(場合により春も)に支給されます、賞与明細書をご覧になりますと、大きく3つのもの(「税」「雇用保険」「社会保険」)が控除されているかと思います。

この3点は毎月の給与と同じですが、控除方法には毎月の給与と相違点があります。

 

雇用保険の控除

賞与に保険料率を掛けた金額が控除されているハズです。

494,500×0.3%=1,483.5(50銭以下切捨、50銭超切上)

⇒1,483円

 

 

 

 

 

社会保険料(健保・厚年)の控除

社会保険料の控除は、雇用保険の控除とは、やり方が違います。

①まず賞与から1,000円未満の端数を切り捨てます。

494,500円⇒494,000円(「標準賞与」といいます)

 

②次に、保険料率を掛けます。毎月の給与の場合と違って、「等級表」は使わず、ダイレクトに保険料率を掛けます。

・健康保険料(介護保険なし。愛知県。令和元年度)

494,000円×9.90%÷2(本人負担分)=24,453円(50銭以下切捨、50銭超切上)

・厚生年金保険料(愛知県。令和元年度)

494,000円×18.3%÷2(本人負担分)=45,201(50銭以下切捨、50銭超切上)

 

 

 

 

所得税の控除

所得税の計算は、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に当てはめて、計算します。

 

①【賞与に対する税率の確定】

(1)この税率は今回支払われた賞与額で決まるのではなく、
前月の月次給与から社会保険料控除した残りの給与金額
で決まります。
※今回はこの金額が282,000円以上338,000円未満だったと仮定します。

 

(2)さらに従業員から提出済である「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載されている扶養親族の数を確認します。

※今回は扶養者が1人として計算してみます。

この2つが交わるところが税率となります

②次に賞与から雇用保険料や社会保険料を控除して課税賞与額を求めます。

494,500円-(1,483円+24,453円+45,201円)=423,363円(=社会保険料控除後の賞与金額)

③最後に税率を掛けて、所得税額を求めます。
423,363円×6.126%=28,935.2(円未満切捨て)

⇒28,935円

 

 

 

最終的な賞与支給額

494,500(賞与)-1,483(雇用)-24,453(健保)-45,201(厚年)-28,935(所得税)
394,428円(振込額)

 

 

 

 

届出が必要なもの

会社は従業員に、無事賞与を支給し終わっても、まだホッとしてはいけません(^^)

 

会社は賞与支給後5日以内に、「賞与支払届」および「総括表」を年金事務所へ提出する必要があります。

私は以前、年金記録確認第三者委員会の専門調査員として活動しておりましたが、大企業・中小企業問わず、この賞与の届出を行っていない会社が散見されておりました。

平成15年4月から、「総報酬制の導入」によって、賞与にも将来の年金額に反映することとしました。

よって、会社が届出をしていないと、従業員の将来の年金額が少なく影響してきますので、忘れずに届出をしてくださいね

 

 

 

退職時の賞与について

Q:ボーナスを支給した月に退職した場合は?

A:12月の賞与を受取ったが、12/25に退職したなど、賞与をもらった月の末日まで在籍せず、途中で退職した場合は、社会保険料の控除はされません。

もし末日まで在籍しなかったのに、保険料控除されていた場合は、会社からお金を返してもらいましょう。

 

 

Q:ボーナス支給日当日に在籍していないと、「賞与支給無し」といわれたが、有効か?

A:就業規則に記載されており、周知もされておれば、当該規定は有効なものとなります(大和銀行事件、最高裁第2小法廷S57.10.7)。

賞与は将来的な勤労への期待等も勘案して支給されるものであると考えられるからです。

なお、就業規則に規定が無い場合は、「支給在籍要件」は、個別の労働契約の内容とならず(労働契約法7条)、会社は主張ができません。

また支給日以降、数日で退職を予定する社員に賞与の一定額を減額する取扱い(「減額支給制度」)も可能ではありますが、その際は、減額幅は1~2割程度が望ましいです(ベネッセコーポレーション事件東京地裁H8.6.28)。

 

 

 

Q:賞与規定はどのように作成したらよいでしょうか?

A:

①「支給日に在籍をしている者」の文言挿入(=支給対象者の明記)

②会社の業績によっては支給しない場合があるの文言挿入(=文言が無いと必ず支給)

③正規労働者の非正規労働者の不合理な待遇を是正する「同一労働同一賃金のガイドライン」に従い、待遇格差があれば説明できるようにしておく。

 

 

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「賞与支払届」の提出忘れが多いので、会社は賞与を支払ったらすぐに提出してくださいね!

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退職時の労働者の権利とは?

このブログ・動画では、暮らしや経営に役立つ「社会保障の仕組み」についてお伝えしております

今回は、「退職時の労働者の権利とは?」について、お話しして参りたいと思います。

 

 

 

労働トラブルを防ぐには

社会保険労務士として労働相談などを担当しておりますと、会社側だったり労働者側だったり、色々な立場の方からご相談を受けます。

トラブル化した場合、完全に一方が悪いというケースは案外少ないんですよね。

双方の言いたいこと、よ~く分かるんですよ。

 

労働トラブルの一般的なイメージは、

会社側が「悪代官」で、労働者側が「善良な市民」

で、水戸黄門のように、悪代官をやっつける!みたいに思っている方も多いかと思います。

しかし実際のところは、本当にケースバイケースなのです。

それでも労働トラブルの多くのケースは、実際に争えば会社側は、負けてしまいます。

 

それは、交通事故で例えるとよく分かるんですよね。

自動車側に過失が無く、突然歩行者が赤信号で飛び出してケガをした場合、いくら歩行者が悪いといっても、前方不注意ということで、何らかのペナルティを食らいますよね。

それと同じで、会社側に過失が無かったとしても、弱い立場(そうとも限らないが・・・)である労働者側は、保護されるべきだという考えが根底にあるからです。

実際の争いの場になると・・・

労働者側の過失はそっちのけで、まず会社側の「アラ探し」を行い、アラが出た時点で、

「さあ、会社さん折れなさいよ」

といった感じで、早期和解をすすめるケースも多いです。

 

人のいい小規模経営者ほど、「モンスター社員」に右往左往するケースが散見されますので、アラを無くすためにも、社会保険労務士による「職場診断」をオススメしたいと思います

 

 

 

 

退職時の労働者の権利とは?

ところで今現在、気の優しい社員さんで、中には上司や会社側から、「いじり」「パワハラ」「過重労働」を強いられている方がいらっしゃるかもしれません。

もしかしたら、ご覧のあなたかも。。。

そんな気の優しいあなたが「退職したい!」と思ったとき、どんな権利があり、どのように申し出ればよいのでしょうか?

気の優しい性格を変える必要はありません。

社員として持っている権利を知って、防衛しましょう。

 

 

 

退職する労働者の権利①(退職時期)

気の優しい社員であるあなたは、なかなか上司に言い出せないことでしょう。

中には怖い上司に怯えている方もいるかもしれません。

昨今、「退職代行」といった業者を活用して、退職される方も増えておりますが、極力お金を使わず、自力で行いたいとお考えの方もいらっしゃるかと思います。法律上どのような決まりになっているかお話ししたいと思います

まず従業員には、退職する権利を保障するものとして、憲法で職業選択の自由が規定されております(憲法22条1項)。辞めたいというのを会社が無理やり引き留めることはできません

そのうえで、従業員側からの退職の申出による雇用契約の終了については、民法により規定されております(民法627条)。
※これまで完全月給制の場合、月の前半に伝えるか後半に伝えるかによって、退職時期が変わりましたが、改正後はシンプルに2週間前です。

 

 

Q:就業規則には1ヶ月前までと記載されているが

就業規則に1ヶ月前と記載することは違法ではないですが、あくまで会社としての要望です。

2週間前に退職してはいけないことではないです。

とはいえ、引き継ぎ等もありますし、余計な紛争を増やさないためにも、極力、就業規則に沿って1ヶ月前には伝えましょう。

さらに業界によっては(例えばアナウンサーなど)、6ヶ月以上前に伝えてほしいとなっていれば、今後のことも考慮して会社の規定に従う方がよろしいでしょう。

法律の2週間とは、あくまでギリギリのラインを示しているだけで、「2週間前ピッタリの請求が正解」という意味ではないからです。

 

 

 

Q:退職の伝達方法

退職の意思表示は、口頭でも成立します。

しかしながら、「離職票作成に必要」「今後のトラブル予防」のため、書面で退職届を提出しましょう。

ここで、「会社から強く引き留められている」「上司が怖くて怯えている」などにより、直接書面で提出するのが難しいという方もいらっしゃるかもしれません。

そんなときは、下記のような退職届を送付するという方法があります。

ただし配達した証明をするためには、「配達証明郵便」で、さらに配達した証明だけでなく内容まで証明するには、内容証明用紙(文具店で700円位で3枚複写の用紙が購入できます)で記入し、郵便局で「内容証明郵便」で送るという方法があります。

直接上司に退職届を提出できない場合に一方的に通知する際のひな形

 

 

 

 

 

退職する労働者の権利②(有給休暇の消化)

年次有給休暇が残っている場合、少しでも消化して退職したいと思っている方もいらっしゃるかもしれません。

その際は、「消化」又は「買い取り」という方法が考えられます。

 

 

退職時の年次有給休暇の処理

法律上で与えられた有給休暇は、労働者の権利です。会社側は繁忙期などは有給休暇の取得時季を変更することもできますが、退職日よりも後の日に変更することはできません。

よって、退職日に有給休暇が残っていた場合は、経営状態などを退職希望者の心情に訴えて有給休暇消化の一部又は全部を放棄してもらう以外は、①有給休暇を取得させる、あるいは、②引き継ぎに出てもらう代わりに買い取りに応じる必要があります

労働者の有給残日数が多いということは、会社にとってかなりリスクがある状態ということなんですね。

 

 

 

退職する労働者の権利③(退職時の証明)

次の転職に必要などの理由で、退職後に「退職証明書」の交付を請求することも可能です(労基法22条第1項)。

ただし交付は、①本人が交付を希望し かつ②希望した項目のみ交付 です。

 

 

 

 

 

退職する労働者の権利④(労働紛争解決)

未払残業代請求

サービス残業の記録等を残していた場合は、退職時に未払残業代請求をすることも可能です。
請求する側は、資料を用意するなど大変ですが、請求を受理する会社側はもっと大変で、かなりダメージを食らいます。

 

悶々とせず、サッサと未来へ行動を移した方が良い場合もあります。

が、あまりにも未払残業代があり、今後の生活にも影響するようであれば、労働者として請求するのもアリだと思います。

 

いじめ・パワハラ・セクハラ

社内における「嫌がらせ」によって退職せざるを得なかった場合、損害賠償請求をするという方法もあります。

昔は労働紛争相談といえば、「解雇」「労働条件引下げ」でしたが、労働基準監督署に設置されております総合労働相談コーナーでの相談第1位は、「いじめ・嫌がらせ」です。

 

 

上記のような紛争は自分たち(会社内)で解決できないときは、まず誰かに相談することから始まります。

これは、労働基準監督署に設置されております「総合労働相談コーナー」をご利用なさると良いでしょう(無料)。

そこでは、労働に関する様々なお悩みを聞いてくれるだけでなく、その後の解決方法(「自主解決」「労働局等のあっせんによる解決」「労働審判」「裁判」「法テラス制度」)などのアドバイスも受けられます。

 

 

 

 最後に・・・

できることなら、労使とも「円満退社」を望みたいところですが、感情が伴いますから、なかなか難しい側面もあります。

そもそも円満退社とはどういう退職をいうのでしょうか? 

人によってその価値観はバラバラです。

「定年までつつがなく過ごすこと」「次の職場に役立つスキルが身に付けられること」「職場で大事に扱われること」「労働基準法どおりの扱いを受け退職すること」などなど。。。

退職時に労働者が持っている権利は、これまでお伝えしましたとおりですが、必ず法律通り権利行使しなければならないわけではなく、どこまで行使するかどうかは、あなた次第。。。

できれば退職時には惜しまれつつ、新天地でも活躍ができるよう、心より願っております。

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