11日

会社は給与計算ミスだらけ?

このブログ・動画では、暮らしに役立つ様々な「社会保障制度」について、お伝えしております

 

今回は、「会社は給与計算ミスだらけについて、お伝えして参りたいと思います。

 

 

 

 

 

 

年金記録調査で実感した給与計算ミス

 

平成19年、20年頃、年金記録問題について、世間を大きく賑わせました。

年金事務所(当時は社会保険事務所)や、日本年金機構(当時は社会保険庁)の、運営方法について、マスコミを騒がせました。

※なお年金記録問題はまだ収束してません。

 

さて当時の私は、総務省の「年金記録専門調査員」として、その騒動収束の最前線におりました。

そこで感じたこととは・・・

年金記録問題といえば、「社会保険庁の国民年金記録のミス」をイメージしますが、実は

 

会社側の給与計算ミスによって、年金記録がおかしくなっているケース

 

も多々あったのです!

 

会社の大きい・小さいにかかわらず、それこそ名の通った大企業であっても、国全体で給与計算ミスによる年金記録問題が発生しておりました。

 

 

 

 

 

給与計算ミスの具体例

 

あなたの会社の給与計算、正しく処理をされていますでしょうか?

個人的な肌感覚にはなりますが給与計算ミスは、叩けば埃が出るといいましょうか、5社に1社くらいは間違っているような気がします。

どの部分で間違っているのでしょうか?

それは、大きく2つに分かれます。

①【支払】残業手当、年次有給休暇、勤怠控除など
②【控除】社会保険料、所得税、など

 

 

支払(残業手当)
これについては、
「【金額】残業単価の計算はどうなっているか?」
「【時間】残業時間の端数処理はどうなっているか?」
がよく問題となります。
ちなみに端数処理については、日々の残業時間は端数を切り捨てることは出来ず、1ヶ月トータルで見て、30分未満を切り捨て、それ以上は1時間に切り上げて処理することとなります。

 

 

 

控除(社会保険料)
年金記録調査で、私が実際に遭遇したケースには大きく3点あります。
①そもそも保険料控除されていない
②保険料控除しているが、届出が行われていないので、年金データに反映されていない
③保険料控除計算が誤っている例えば②でいえば、賞与からも保険料控除が行われていますが、「賞与支払届」が未提出のため、年金記録に反映されていないケース。③でいえば、資格喪失日と退職日の間違い(1/31退職なら2/1喪失と届出しないといけない)や、保険料率のミス、そして等級表で控除せずダイレクトに料率を掛けているなど(^^)。

 

 

 

 

 

 

給与計算はかなり難解です

上記の通り給与計算には、さまざまな「落とし穴」が待ち受けております。

もちろん単純に、事務職員の給与計算ミスというのもありますが、そもそも・・・

 

 

日本の社会保障制度が複雑で、給与計算が難しい

 

というのもあるのではないでしょうか?

 

冒頭にお伝えしましたとおり、年金記録調査をしていましたら、名の通った大企業であっても、イロハのイである給与計算に、誤りが頻発していたのです。

 

これ以上、社会保障制度を複雑にしないでくれ~!と願いつつ、微力ながら現状の社会保障制度の情報発信をしていきたいと思っております

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