【年金】繰下げ請求は本当に得か?

【年金】繰下げ請求は本当に得か?

2016-11-19-2
先日テレビで、年金を65歳からもらわず、繰下げて請求すると、「お得」になる特集が報道されていました。
確かに70歳まで繰下げをしますと、42%増額されます。

繰上げ請求:本来65歳からもらえる年金を60歳や64歳など、早めにもらうこと

繰下げ請求:本来65歳からもらえる年金を66歳や70歳など、遅くもらうこと

TV報道の通り、平均寿命も延びてきたことで、繰下げ請求して年金額を増額させてもらうメリットはあるにはあるのですが・・・これがまた、

曲者(くせもの)

なんですよね。

 

 

2016-11-19-1

 

<①加給年金や振替加算が止まる>

年上の旦那に、妻の扶養手当にあたる加給年金(約39万円)が付いている方。
この方は、繰下げをした期間は、加給年金を捨てることになります。
だから、繰下げて増額した額があっても、加給年金が出なかった期間が相殺され、うまみがあまりありません。

 

<②増額は、厚生年金の停止分を除いた部分のみ>

65歳を過ぎても、厚生年金に加入し、かつ、「厚生年金1か月分」+「給与1か月」=47万円を超えると、超えた分の半分がカットされます。
そのため、65歳を過ぎても高給取りの方の場合は、引き続き厚生年金分がカットされることになります。
※ちなみに国民年金分は、高給取りでも受給可能です。
カットされた残り分だけが繰下げの増額対象ですので、これまた、思ったほど増額はされません。 

 

<③取り返すのは、ひと苦労>

繰下げしている期間は、銀行に預けて利息が付くような感じではなく、年金を
「捨てる」
ことになります。
捨てた年金を何年もかけて取戻し、そこから先にようやく得になります。
ケースバイケースですが、70歳まで繰下げれば、80歳以上生きて初めてトントンで、その先に得が訪れます。
女性であれば、90歳以上生きる可能性が高いので、良いように思うのですが、男性の場合、はたしてどれだけ得になるのか?
仮に得になっても、逸失利益(もし65歳から得られていたら旅行など思い出が作れた)もあるわけです

 

TV報道では、積極的にオススメされていましたが、現行の支給調整(支給停止)の仕組みを分析してみますと、社労士としての肌感覚ですが、メリットを得られる方は、さほど多くないように思います。

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