働きながら年金(在職老齢年金)をもらうには? 支給停止の仕組みと計算方法(後半65歳以降)2017年版

働きながら年金(在職老齢年金)をもらうには? 支給停止の仕組みと計算方法(後半65歳以降)2017年版

働きながら年金をもらう際の注意点とは?


こちらは、とある年金相談会でのお話。

会社の総務事務を担当している女性社員が、シニア世代の方から受けた質問に答えるべく、年金の勉強をするために、相談会にやってきました。

先程、在職老齢年金の仕組みについて、理解がすすみ、帰社しようかと思った矢先、注意すべき人達がいると聞き、再び身を乗り出して聴きはじめる。。。

※なお理解しやすくするため、専門的な用語はあえて避けております。

 

 

さきほど、65歳以降の方の中には、「在職老齢年金」について、気を付けないといけない人もいると言われました。

 

働きながら年金(在職老齢年金)をもらうには? 支給停止の仕組みと計算方法(65歳まで編)←クリック

どういうことか、すごく興味があるので、聞かせてください。

 

 

 

まず今一度、こちらの図をご覧ください。

 

 

このように65歳以降は、若い方々と同様の年金(※図の緑色の部分)がもらえます。

そして、先程もお話しましたとおり、働きながら年金(在職老齢年金)をもらう際に、支給調整されるかもしれない部分は、老齢厚生年金(※図のうす緑色)だけで、老齢基礎年金は100%支給(※図の濃い緑色)とお伝えしました。

 

この支給調整の対象となる65歳以降の老齢厚生年金部分で、少し損をしてしまうかもしれない方がいらっしゃいます。

 

その注意する方とは、ズバリ、厚生年金に加入中で高額の所得を得ている方です。

 

 

65歳以降は「厚生年金+給料>46万円」

 

65歳を過ぎますと、在職老齢年金額の調整ラインとなる基準額は、28万円から46万円へと変わります。

そのため、年金がカットされるような方は、かなりの高額所得者であるといえます。

なお、例えばお給料が月額100万円だったとしても、厚生年金の標準報酬月額の等級表は62万円までしか無いため、62万円とされてしまいます。

 

 

 

 

65歳をすぎても、給料をたくさん頂ける方は、うらやましいけど、年金カットされるのね。

 

 

 

 

 

65歳を過ぎて、「厚生年金がカットされるかどうか」は次のどれかです。

※給料のカットはありません。

多くの方は、65歳以降の在職老齢年金(年金カット)は、考えなくても大丈夫です。

65歳以上の国民の大部分
この方々は、「厚生年金1ヶ月分+給料1ヶ月分<46万円」であるため、年金のカットはありません。
※厚生年金を掛けていなければ、そもそも調整されません。
※厚生年金を掛けて働いていても、基準額(46万円)に該当しないため、「年金と給料の両方丸取り」できます。
65歳以上の国民の数%(社長・取締役・高給取り労働者など)
この方々は、「厚生年金1ヶ月分+給料1ヶ月分>46万円」であるため、厚生年金がカットされます。
※ただし、全額までカットされないため、厚生年金の一部は支給されます。
※厚生年金の一部でも支給されれば、「加給年金(約39万)」と呼ばれる年金版の扶養手当が、権利がある方は全額支給されます。
65歳以上の国民の数%(社長・取締役など)
この方々は、「厚生年金1ヶ月分+給料1ヶ月分>46万円」であるため、厚生年金がカットされます。
※しかも、基準額を大幅に超えるため、厚生年金の全額が支給停止となります。
※加給年金の権利がある方でも、1円も厚生年金が支給されないことにより、加給年金が1円も出ません。
老齢基礎年金は、支給調整の対象外のため、高額な所得であっても100%支給されます。


まあ、社長さんは、お給料もたくさんいただいているんだから、支給調整されて年金カットされても、問題が無いのでは?

 

 

 

 

社長は70歳過ぎても厚生年金がもらえない?

いやいや、これがなかなかの問題でして。。。

もちろん、年金支給が無くても、裕福な生活ができる方がいるとは思います。

が、しかし、次のような困った点もあるのです。

本当はそんなに裕福でないケース
銀行等から融資を受けるなどのため、給与水準は高くしているが、実際は支払も多く、生活が困窮しており、年金が欲しい人もいる。
保険料だけ払い続ける空しさ
これまで高額の厚生年金保険料を支払っている。

そして現在も働いているので、高額の厚生年金保険料を払っている。
しかし、厚生年金は1円も受け取っていない。
いずれ現役を引退し、将来高額の厚生年金を受取れるかもしれないが、寿命との戦いだ。
厚生年金を払い終わってもまだカットされる悔しさ
70歳以降は、厚生年金加入制度が終了し、保険料を納めなくて済むものの、60歳代後半と同様の支給カット計算で、引き続き年金カットは続きます。

※健康保険は75歳まで加入でき、そのため日本年金機構は所得を把握でき年金カットは続きます。
つまり、年金が増えることもなく、年金カットが続くため、金額的には損が続いてしまいます。

もしかすると、「生涯で誰よりも高額の保険料を納めて、74歳で死亡して1円も厚生年金をもらえませんでした」なんてこともありえます。
(※老齢基礎年金は、在職老齢年金の計算対象外のため、基礎年金のみ受給となります)

どうせ受け取れないのであるなら、「繰下げ請求」という方法もありますが、これ、加給年金が本来支給される方(年上の夫で専業主婦の妻がいる)ですと、加給年金も支給停止になるので、そういった方はあまりオススメはできません。

 

 

 

「保険制度」は、損得ではないとはいえ、それだけ厚生年金保険料を納めても、受け取ることができないというのを聴くと、ちょっと「可哀そうかも」って思っちゃいますね。

 

 

 

 

社長が在職老齢年金をもらう方法はあるのか?


これまでみてきましたとおり、現在日本の年金制度は、長年にわたり厚生年金保険料を納付してきたとしても、社長等で直近の報酬が高いと、いつまでたっても老齢厚生年金を受け取ることができない仕組みとなっています。

 

年金は保険制度で、損得勘定でなく「世代間扶養」ではありますが、やはりどこか腑に落ちないところがあります。

 

長い間、安くもない厚生年金保険料を掛けてきましたから、年金を頂きたい気持ちはわかります。

 

そこで、報酬の高い方々の間では、老齢厚生年金を受け取るために、「役員報酬を減額させようか? 役員を退任しようか? 役員報酬を下げないまま受け取れる方法はないものか?」と、専門家にたずねられ、解決方法のアドバイスを受けられているようです

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試算してみましょう(早見表)

平成29年度版のオリジナル無料早見表(PDF)をご用意いたしました。

クリックし、ダウンロードしてご使用してください。

※基本月額=1ヶ月分の厚生年金額です。
※総報酬月額相当額=標準報酬月額+その月以前12ヶ月間に支払われた賞与÷12
※数字は、実際に支払われることとなる年金額です。
(青色は100%支給、白色は在職老齢年金制度により減額された年金額を表しています)

 

 

それでは、楽しいシニア生活をお過ごしください!

私自身も、将来のシニア生活を楽しみにしています。

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